悪質な競馬予想会社はこの世の中にたくさんあります。「何万円の情報を買ったのにカスリもしなかった!詐欺だ!」なんて書き込みもよくありますよね。
ですが、摘発されたというのはあまり聞きません。閉鎖ならよくありますが、あれは単純にサイト経営が破綻しただけです。なぜ、悪質な競馬予想会社は摘発されないのでしょうか?
その理由と悪質競馬予想会社の手口、見分ける方法を紹介します。
また、当リサーチが把握している悪質な競馬予想会社の一覧もまとめました。
ぜひ、ご参考にしてください。
目次
悪質と詐欺は別物
一番最初に結論を言ってしまうと、「予想が外れる(悪質)」と「詐欺」は本質的に違います。
「人を欺いて財物を交付させ、又は財産上不法な利益を得た者は、詐欺罪として10年以下の懲役で処罰される(刑法246条)。
また、詐欺の未遂罪も処罰される(同法250条)。
「必ず当たる」「絶対に勝てる」「八百長だから勝馬が分かっている」などと断定的なことを言っていたら、もちろん詐欺にあたります。
ですが、「可能性が高い」「期待値が高い」などという言い方をしているのなら、それは可能性が高い低いの問題になってしまうので詐欺で摘発することはできません。
実際にお金を払い、商品を受け取ってしまったらそこで取引は成立してしまうし、情報系の商材はクーリングオフも適応されません。
ニュアンス的には「料理がまずかったから詐欺だ」という形になってしまうので、実際に情報の売買が行われたのなら、摘発されることはほとんどないでしょう。
悪質な予想はあくまでも予想。詐欺と悪質な予想は本質的に違うのです。
詐欺以外の罪で摘発されないのか
情報の売買が実際に成立してしまっているので詐欺罪が当てはまらないというのなら、不当景品類及び不当表示防止法など他の罪を当てはめることはできないのでしょうか?
第四条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。
一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であっ、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
二 商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他
の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの
三 前二号に掲げるもののほか、商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認めて内閣総理大臣が指定するもの
この場合、摘発するためには
優良誤認
(1) 実際のものよりも著しく優良であると示すもの
(2) 事実に相違して競争関係にある事業者に係るものよりも著しく優良であると示すもの
有利誤認
(1) 実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認されるもの
(2) 競争事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利である一般消費者に誤認されるもの
優良誤認か有利誤認のどちらかに当てはまったら摘発対象になるのですが、まずどちらも(2)は当てはまらないですね。同業他社との比較を押し出してるわけではないので。
それに過去の実績通りじゃないからと言って、過去の実績通りの数字が必ず出ます!と言っていなければ(1)に当てはまらないようです。
過去の事例はあくまで過去の事例ということで直接的に商品の説明をしているわけではないということです。的中実績のが捏造だとしても関係なさそうですね。
それに「関係者情報」や「内部からのリーク」などという煽り文句をよく目にしますが、まぁ大半が嘘だと思われます。ですが中身をよく見てみると優良誤認や有利誤認に当てはまるような言いきりはうまく避けていますね。
悪質な業者はその辺りが小賢しいので、ギリギリの言い回しで営業を行っているのでしょう。
では悪質な競馬予想会社は野放しなのか?
残念ながら、詐欺や不当景品類及び不当表示防止法の網にかからない悪質な競馬予想会社を摘発するのは難しそうです。
それは、悪質な競馬予想会社が国に許されているというわけではなく、規制する法律が整備されていないだけという話です。
法律の不備を突いて、法の網の目をかい潜っている悪質な競馬予想会社を見分けることができないのであれば、競馬予想会社を使うということ自体がかなりのリスクになります。
摘発できないのなら泣き寝入りしかないのか?
摘発できないからといって悪質な競馬予想会社に払ってしまったお金を取り返すことができないわけではありません。
摘発ができないということは刑事事件にできないというだけのことで、民事でなら争うことができるかもしれません。
弁護士費用などのハードルはもちろんありますが、失った額が大きいのならば一回相談だけでもしたほうがいいでしょう。
ただ、競馬予想会社の利用者に限らずギャンブルで負けた人はギャンブルで取り返そうとすることが多く、それがギャンブルで借金をした人の本質的な問題であることが多いのも事実です。
結局、無茶なお金の突っ込みかたをして馬券を外したのなら悪質な競馬予想会社に文句をいう前に自業自得と思われてしまってもしょうがないのです。
ギャンブルは結局のところ余剰資産でレクリエーションとしてやるべきものです。確率が高い低いの問題ではなく、生活や将来をかけてギャンブルをしてはいけません。
悪質な競馬予想会社の5つの特徴
では、競馬予想会社を利用すること自体、悪質か優良かもわからなずロシアンルーレットのようなイチかバチかなのでしょうか?
悪質な競馬予想会社には簡単にわかる5つの「特徴」があります。
・特定商取引法に基づく表記を掲載していない
・サイトが頻繁にリニューアルされる・サイト年齢が低い
・買い目の根拠や不的中の際の根拠が不明
・極端な文言を使用する
・情報料金が異様に高い
次項でそれぞれについて詳しく説明します。
特定商取引法に基づく表記を掲載していない
これは最も簡単にわかる悪質競馬予想会社の特徴です。
一般の競馬予想会社なら下記の画像のように特定商取引法に基づく表記を掲載しています。
特定商取引法に基づく表記には「所在地」や「連絡先」、「代表者名」が掲載されています。
特定商取引法に基づく表記の掲載は法的に義務づけられています。
この法律の目的は「特定商取引を公正にし、及び購入者等が受けることのある損害の防止を図ることにより、購入者等の利益を保護し、あわせて商品等の流通及び役務の提供を適正かつ円滑にし、もつて国民経済の健全な発展に寄与すること」で、簡単に言えば「消費者を守るための法律」です。
消費者を守るための法律を犯している競馬予想会社は総じて「悪質」です。
特定商取引法に基づく表記を掲載していない競馬予想会社は犯罪ですし、もし何かトラブルが起きても問い合わせることができません。
特定商取引法に基づく表記は大抵サイトの下部にありますので必ずチェックするようにしましょう。
サイトが頻繁にリニューアルされる・サイト年齢が低い
競馬予想会社に限らずサイトがリニューアルされることは一般的に悪いことではありません。
ここ最近だと競馬予想会社「うまコラボ」が2社と統合して新しく「うまとみらいと」にリニューアルしたことを告知していました。
このように事前に告知する競馬予想会社は優良でしょう。
しかし、悪質競馬予想会社は事前に告知することはありません。
最初から目標集金額に達するとクレームが来る前に閉鎖を前提にしているからです。
閉鎖後、ドメイン名や競馬予想会社名を変えて、再度同じ手口を使います。
サイトを頻繁にリニューアルする競馬予想会社はサイト年齢が必然と低くなります。
運営実績が長い競馬予想会社が優良競馬予想会社の可能性が高いと言われるのは上記の理由からです。
「サイトが頻繁にリニューアルされる」・「サイト年齢が低い」競馬予想会社は悪質の可能性が高いのでご注意ください。
買い目の根拠や不的中の際の根拠が不明
優良な競馬予想会社なら何かしらの予想法やロジック、システムに基づいて買い目を提供していますので「買い目の提供に関する根拠」があります。
また、万が一不的中だった場合でも「何が原因」で「今後どのように対処していくのか」具体的な説明を貰えるでしょう。
一方で、悪質な競馬予想会社は碌に予想の精査を行っていません。社員と談笑しながら「ノリ」で買い目を作ることも稀ではありません。
そのような買い目には当たり前ですが、「予想の根拠」や「不的中の原因・対処」が明確ではありません。
競馬予想会社の有料情報に参加する前に「どういった根拠のある情報」なのか一度問い合わせてみると良いでしょう。
極端な文言を使用する
悪質な競馬予想会社は詐欺として訴えられないためにも「100%的中する」や「八百長レースが開催される」など露骨な文言を使用しなくなってきました。
万が一、上記の文言を使用する競馬予想会社は悪質競馬予想会社ならぬ「詐欺会社」なのでご注意ください。
その変わり悪質な競馬予想会社は「〇〇万円狙える」や「馬主しか知らない究極の情報」など法にギリギリ触れない極端な文言を使用します。
当記事を読んで頂いている方の中にもそのような競馬予想会社を見たことがあるかもしれませんね。
結論、極端な文言を使用する競馬予想会社のほとんどは会員の購買意欲を刺激し、低質な情報を買わせることが目的なのでご注意ください。
情報料金が異様に高い
異様に情報料金が高い予想を提供するのも悪質競馬予想会社の特徴の1つです。
「特定商取引法に基づく表記が掲載されていない」の項目でも触れましたが、悪質競馬予想会社は目標金額が集金したら即刻閉鎖することを前提としています。
そのため、最初から高額な有料情報を会員に買わせようとします。
一般的な競馬予想会社なら初回参加だと平均して10,000円から30,000円の間で参加できます。
最初から50,000円を超えるような情報を勧めてくる競馬予想会社は悪質競馬予想会社なので気をつけてください。
そのためにもまずは、無料予想から試し、信用できそうなら口コミをチェックし期待できそうな情報に参加しましょう。
悪質競馬予想会社の3つの手口
上記の特徴や口コミをチェックすれば、ある程度、その競馬予想会社が悪徳か優良か絞れるはずです。
しかし、現実は悪質競馬予想会社を利用被害に遭う会員が増える一方です。
なぜ悪徳競馬予想会社に騙されるのでしょうか?実は悪質競馬予想会社は非常に巧妙な手口を使用しいるからです。
悪質競馬予想会社の手口を紹介します。
大手スポーツ新聞で広告を出し会員を信用させる
悪質競馬予想会社は大手スポーツ新聞に広告を出し、あたかも従業員が100人を超えるような巨大組織を演じます。
実際は特定商取引法に基づく表記に掲載されている所在地が存在しなかったり、レンタルオフィスだったり架空の所在地の場合がほとんどです。
悪質競馬予想会社は「大手スポーツ新聞」という「権威」を利用して集客を行います。
悔しい事実ですが、私たちはそのような「権威」にとても弱い側面を持っています。
「〇〇新聞で紹介されている競馬予想会社だから信用できる」といった会員の心理を裏手に取った巧妙な手口です。
何かしらの情報が絶対に当たるシステム
悪質競馬予想会社の的中実績を見ると何かしらの有料情報が必ず的中しています。
しかし、これは悪質競馬予想会社の実力ではなく、巧妙なトリックなのでご注意ください。
悪質競馬予想会社は最低でも18個の情報を用意します。
1つのグループには1番馬を軸にした情報を、2番目のグループには2番馬を軸にした情報を提供し、18個の情報には1レースの軸馬が1番から18番まで全て入るようにします。
そうすると当たり前ですが、1レースに18頭の軸馬を予想するわけですから何かしらの情報が的中します。
そして「〇〇情報で1,000,000円的中!!」などレース終了後に的中報告が送られてくるわけです。
そうすると運良く的中情報に参加した会員は「この競馬予想会社は本当に当たる!!」と勘違いし、悪質競馬予想会社が法外な値段で提供する情報でも信用しきって買ってしまいます。
これが悪質競馬予想会社が最も良く使用する「何かしらの情報が絶対に当たるシステム」です。
空売り情報の的中報告をする
また、悪質競馬予想会社は「空売り情報の的中報告を送る」手口も良く使用します。
悪質競馬予想会社は必ず販売しない情報を複数用意しておきます。
やけに情報の完売が早い競馬予想会社を見たことがありませんか?そのような情報は実は参加者がいません。
会員はしょうがないから別な情報を購入しますよね。そして不的中に終わると、悪質競馬予想会社は完売にし購入できなくした情報の的中報告を不的中だった会員に送ります。
「この度は申し訳ありませんでした。こちらの情報では高額的中が出ましたよ」という感じで、次週に架空の的中実績を掲載した空売り情報を購入させようとします。
悪質競馬予想会社の見分け方
巧妙なトリックを使う悪質競馬予想会社ですがトリックを暴く方法も紹介します。
まずフリーアドレスを2つ用意し、2つのアカウントを作ります。
1つのアカウントで安価な有料情報を購入し、もう片方のアカウントでは何も購入しません。
そして有料情報が不的中に終わると、有料情報に参加したアカウントに対しては「謝罪メール」が届きます。
何も購入しなかったアカウントに対しては「不的中だったはずの有料情報の的中報告」が届きます。
このように捏造メールを飛ばす競馬予想会社は的中実績を公開していなかったり、的中実績を公開しているものの的中情報名を記載していなかったりします。
ただし、ほとんどの競馬予想会社は多重アカウントを禁止していますので、中々成功しずらい方法です。
もし運が良ければ…悪質競馬予想会社の手口を暴くことができるでしょう。
把握している悪質競馬予想会社一覧
では具体的に悪質競馬予想会社はどこのなのでしょうか?当リサーチが証拠を掴んでいる悪質競馬予想会社の一覧をまとめます。
・フリーウェイ投資倶楽部
運営歴の水増し
・ウォレットコイン
的中確率100%と言っている
・万馬券ホース
実在しない馬券師
・当たる競馬マガジン
「本当に当たる」など極端な文言の使用。個人情報を第3者に提供している
・オーナーズプレミアム
的中実績の捏造
・バリュースターズ
200社を超える量産型競馬予想会社の1つ
・アマテラス
量産型競馬予想会社の1つ
・うまうま広場
的中実績の捏造
・的中新聞ウェブ
馬券師が偽物
・ウルトラ競馬塾
的中馬券の偽造
・ターフレジェンド
確実に払戻金が掴める無料情報と言っている
・ガンガン競馬
的中実績の捏造
・競馬術.com
利益が確定すると言っている
・全着順完璧解析
100%的中と言っている
・新世界
特定商取引法に基づく表記が無い
・シュウマイ博士の競馬ラボ
的中実績の捏造
・ゴリッゴリの勝ち逃げ1点400万円最後の火花
400万円を渡すと言っている。
・アドベント
競馬予想会社のコンセプトがすでに嘘
・ステップ競馬
的中実績の捏造
・億り馬券(佐藤要)
的中実績の捏造
・ある時払いでOK
的中実績の捏造
・うまチャンス
的中実績の捏造
・魁!競馬塾
馬券師が偽物
・パーフェクトホース
的中馬券の偽造
・プロフィットエックス
運営歴の水増し
・競馬予想情報局
的中馬券の偽造疑惑
・惑星馬探索社プラネット
的中実績の捏造
・マスターホース
的中実績の捏造
・うまファンド
的中馬券の偽造
・情報は全て後払い
メール配信代行依頼料金やインターネットサーバー代、電話通信代行サービスの利用料金などの謎費用をも請求
・さくら通信
100%的中宣言
・十河一家
的中実績の捏造
・馬券投資救援船団ノア
馬券師が偽物。的中馬券の偽造疑惑
・独占勝馬券
頻繁なサイトリニューアル
・ホースマスター
個人情報の第3者提供
・金の鞍
的中実績の捏造
・イミグラント
的中馬券の偽造
・ホースBC
登録特典が貰えない
・ウィナーズサークル
運営歴の水増し
・ヘブンズドア~優駿王への扉~
的中実績の捏造
・シンジケート
会員登録特典が貰えない
・フォーメーション(formation)
運営責任者が偽物
・エンリッチ
的中実績の捏造
・パーフェクトナンバー
社員画像が偽物
・跳馬会
社員は偽物。自演実績動画をアップ
・株式会社メジロ
的中馬券の偽造
・マーベラス
運営実績の捏造
・デンジャラスホース
的中実績の捏造
まとめ
なぜ、悪質な競馬予想が摘発されないのか?
それは法の隙間をうまくすり抜けながら商売をしているからであり、何か大きな事件でもあって法整備などが入らないと被害者は増え続けるのでしょう。
それに悪質な競馬予想会社は、ギャンブルに溺れかけている人の深層心理をうまく突いてるようにも思えます。
悪質な競馬予想会社を摘発する方法を考えるのではなく、悪質な競馬予想会社を利用しない方法を考える。もしくはギャンブルそのものを考えるということが大切なのではないでしょうか。
また、当リサーチで把握している悪質な競馬予想会社の一覧をまとめました。
もし、会員登録してしまっている競馬予想会社がありましたら即刻退会をおすすめします。