JRAで24ぶりのストライキ危機 開催中止の可能性が浮上
世界、特にヨーロッパでは頻繫に起きる労働者の権利を守るために戦うストライキ。
日本でも稀に起きるストライキですが、今まさにその渦中にあるのが我らが競馬業界です。
今回はJRAストライキの原因、気になるJRAの売上、今後の見通しについてまとめています。
なお、現在はJRA厩務員のストライキを無視する形で開催業務が進められるいる状況です。
ストライキの原因は賃金体系
今回発生したストライキの原因はJRA厩務員に支払われる賃金体系への不満です。
現在、賃金体系を巡って争っているのはJRAの厩務員が加入している
4労組(関東労、全馬労、関西労、美駒労)と日本調教師会。
両者の争点となっているのが厩舎制度改革後の新しい賃金体系です。
JRAの厩務員、調教助手などが組織する4労組
(関東労、全馬労、関西労、美駒労)が
日本調教師会に11年から導入されている賃金体系の廃止を求めた春闘
URL:https://www.tokyo-tc.com/news_keiba/detail/20230316s00004000708000c/
2011年に中央競馬の売上減少を背景に大幅な人件費カットが実施されましたが、
当時と比べて近年の中央競馬は売上増加が著しいことから、
4労組は現行の賃金体系を廃止すると共に厩舎制度改革前の体系に戻すことを求めています。
この訴えが今も聞き入れられていないことがストライキの原因です。
気になるJRAの売上
上記からもわかる通り、
労働者と経営陣とのストライキにはいつの時代もお金の問題がつきまといます。
それではJRAは現在どのくらいの売上、利益をだしているのでしょうか?
JRAが発表している2022年度の売上は3兆2539億707万6200円です。
JRAは12月28日で2022年度の全日程を終了した。
売り上げは3兆2539億707万6200円で、
前年比5・3%増。2年連続の3兆超えとなった。
昨今のウマ娘によるカルト的な人気や若者、女性の参入による
競馬人口の増加が考えられますが、
日本の景気に反するように著しい成長を見せる姿には目を目を見張るものがあります。
さらに驚きなのが2022年度の売上は前年比5・3%増となっており、
2年連続の3兆超えと、
売上の推移は高い水準を維持しながら右肩上がりになっているということです。
ここまでの売上に対して賃金体系が2011年の売上減少時と変わらないというのは
厩務員の怒りを買うのも納得です。
今後の見通し
JRAの厩務員の賃金体系に対する訴えから第2回団体交渉がJRA新橋分館で
3月16日に行われましたが、
労使合意には至らず、交渉は17日以降に持ち越すことになりました。
4労組は3月10日に日本調教師会とJRAに対してストライキ通告を行っているため、
このままでは3月18日、19日に開催されるレースは99年4月3日以来、
24年ぶりに中止となる可能性がありました。
交渉が不調に終われば今週末の競馬開催(18、19日)が1999年4月3日以来、
24年ぶりのストライキによる中止となる可能性もある。
しかし、17日の労使間で話し合いは決裂したものの、
18、19日の競馬開催(中山・阪神・中京)は行われることが決まりました。
双方の主張は平行線のまま終わりましたが、
調教師や組合非加入者、および補充員で今週の開催業務を行うと発表がありました。