競馬好きの方は、一口馬主という言葉を一度は聞いたことがあるけれど、詳しい内容は知らないという方が多いのではないでしょうか?
一口馬主は馬をみんなで資金を出しあって購入する!という、非常にわかりやすい仕組みになっています。
血統の良い競走馬は、一頭でも数千万円してしまう場合もあり、到底一人では、その資金を出すことは無理!という方でも、みんなで少ない金額を出しあって馬を購入し、維持をしているのです。
当然、一口馬主も馬主ですから、自分が購入した馬が賞金を稼げば儲かる場合もあります。
一口馬主は、株と同じように競走馬の金額に対して「◯◯口(例:30口)」を購入というイメージで、出資する金額に応じて配当金も変動します。
ですが、一口馬主には細かい条件などあり、儲けが出ない場合もあるんです。
この記事では、一口馬主が本当に儲かるのか?という部分に注目して、詳しく解説します。
ぜひ、一口馬主に興味のある方は最後まで読んでみてください。
目次
一口馬主はどうやって儲かるの?
一口馬主になって儲けるのは、そう簡単な話ではありません。
そもそも、全ての競走馬は一口馬主で購入できるわけではなく、一口馬主クラブが所有している馬しか、一口馬主を購入(出資)することはできません。
そのため、自身が一口馬主クラブに所属して、クラブ内で馬主募集を出している馬に出資するのが一口馬主になる第一歩です。
そこで、一口馬主が儲かるポイントを3つ紹介して解説していきます。
レースに勝つことが大前提
一口馬主も馬主と同じで、購入した馬がレースに出走して賞金を稼いでくれないと、そもそも配当なんてありません。
クラブに所属して、指定された最低購入数(◯口)を購入しても、馬が賞金を稼いでくれないと、自分が払った出資金は回収できず、さらに馬の維持費も追加で発生するでしょう。
そうなると、馬主は完全に赤字になり、メリットは何もありません。
しかし、大活躍してくれる競走馬が現れる場合があります。
クラブに所属している馬で有名な馬は、G1で7勝もしている「アーモンドアイ」などが有名です。
アーモンドアイは、シルクホースクラブというクラブの所属馬で、獲得賞金の累計額は、14億5,949万円にも達しています。
ちなみにアーモンドアイの価格は、一口6万円となっています。
もし、一口馬主として自身が購入した馬がアーモンドアイのように成績を残してくれると、一口馬主の賞金は約「291万円」とも言われていますので、とても高額です。
そのため、運の要素も含まれてしまいますが、優秀の競走馬に出会うことができれば黒字になる場合もあるでしょう。
購入者の人数が非常に重要になる
一口馬主の場合は、競走馬の購入資金の一部しか負担していませんので、当然ながら配当金も賞金の一部ということになります。
基本的に賞金は80%を軸に分散しますが、その理由は馬主80%、調教師10%、騎手5%、厩務員5%という形で賞金を振り分けるからです。
また、一口馬主は更にその80%を出資者で分散するということになります。
そのため、重要なのが出資者(馬の購入者)の人数と金額です。
例えば、100万円の馬を10人で購入した場合では、単純に馬の賞金の80%を10人で割る計算でしょう。
しかし、出資者が1000人いたらどうなりますか?
そうなると、当然ながら賞金も1/1000になってしまいます。
そのため、どのくらいの人数が馬に対して出資しているのかも、儲けを出す点において重要になってくるポイントです。
競走馬を見極める知識が必要
一口馬主になりたいという願望でクラブに所属して、競走馬の出資を検討する前に馬の将来を見越した、馬主としての知識が必要不可欠です。
やみくもに、一口馬主になっても運の要素に頼るだけになってしまうので、あまり推奨はできません。
そのため、馬のポテンシャルや血統、脚質などを見極めて、将来どんな走りを見せてくれるのか想像して、細かく研究した上で出資を検討するのが良いでしょう。
素人の方が一口馬主として出資して、高額な配当を貰えるような甘い考えでは、確実に損してしまいます。
ぜひ、一口馬主を考える方は馬のオーナーとしての思考力や知識を身につけてください。
一口馬主の経費を回収する必要がある
上記で紹介したアーモンドアイのように、素晴らしい成績を収めるG1馬まではいかなくても、賞金を稼いでくれる馬の一口馬主になったと仮定します。
そのときに問題なのは、一口馬主になるときの費用や毎月の経費を自分の馬が回収できるのか?という部分が重要になってきます。
そこで、一口馬主になるまでから馬主になった後も踏まえて、掛かる費用を下記にまとめて説明します。
クラブ入会費(入会する時の費用)
クラブに入会する時は、約2万円の費用がかかります。この金額は、所属のホースクラブに支払うもので、入会時しかかかりません。
馬の出資額(購入時)
これが一口馬主の一番重要な部分です。
出資額は、単純に競走馬は購入する資金でクラブや競走馬ごとに「一口〇〇円」「最低〇〇口以上」などと異なる条件をクリアして出資します。
出資者が多い時は、賞金も出資者全員で出資額に応じて分散されるのが特徴です。
クラブの会費(月額)
クラブ側の運営をするために出資金額に関わらず、クラブに所属している方から毎月3,000円~5,000円程度の会費を徴収します。
これは、施設の運営費なので会員の方(一口馬主を含む)は原則支払わなくてはいけません。
競走馬の維持費(月額)
競走馬のオーナーになるということは、馬の世話にも費用が掛かるとういうことです。
競走馬の維持費は、2歳を超えた段階から、一口馬主の全員に分散して請求が掛かります。
クラブの基準や出資者の人数、出資金額によっても変動しますが、約5,000円~1万円程度です。
馬の生命保険料(年1回)
これは、2歳を超えた馬に対して加入する生命保険です。基本的に年1回の請求で募集価格と出資者の金額に応じて変動します。
クラブや馬のよっても変わりますが、おおよそ3%~5%と言われています。
一口馬主になる場合は、最低でも上記のような経費が掛かってきます。
稼いだ賞金のうち80%は馬主のものですが、一口馬主の場合は出資者の金額に応じて分散されるのが特徴です。
そのため、自分に取り分が凄く少なくなり、上記の金額より下回ってしまう場合もありますので、注意しましょう。
まとめ
今回は競馬の一口馬主は実際に儲かるのか?という疑問に対して解説しました。
結論から説明すると、一口馬主で儲けるには相当難しいと思います。
競馬の馬主は、そもそも資金力がある人が競走馬を購入して、維持費などを支払い高額が資金が動くものです。
そのため、一口馬主のようにリスクを少なくすることは、配当も少なくなるという結果になります。
非常に運の要素が強くなってしまいますが、一頭や二頭の一口馬主になったから確実に儲かるとは言えないのが現実です。
しかし、一口馬主でもアーモンドアイのように、G1で6勝以上も優勝して高額な賞金を獲得するような馬に出会ったなら話は別です。
優秀な馬に出会うためには、何頭も一口馬主として出資して、多くの競走馬に関わる必要があります。
所属するクラブも一つではなく、複数に所属して募集を探さなくてはいけないでしょう。
そうなると、いくら低出資の一口馬主だからと言っても、費用は多くなり、ある程度の資金力が必要になります。
その点を踏まえると、一口馬主で儲かる人はごく一部の方ではないでしょうか。
しかし、競馬が昔から好きで、将来は馬主になりたいと考えている人は、一口馬主が第一ステップになるので、しっかり競走馬の知識を増やし、チャレンジしても面白いと思います。
もしかしたら、自身の馬が三冠馬になる日も来るかもしれません。