エピファネイア産駒の3つの特徴と代表的な産駒を3頭紹介!

エピファネイア産駒 特徴

2016年に種牡馬となり種付けを開始したエピファネイア。

父シンボリクリスエス、母シーザリオ、母父スペシャルウィークという良血統馬としてデビュー前から注目されていたエピファネイアは、デビュー戦から3連勝。皐月賞、ダービーと連続して2着でしたが、菊花賞では見事に1着を獲得します。

その後は海外遠征での善戦やジャパンカップでの1着を経て2015年に引退。凱旋門賞への一次登録を済ませていたものの、左前脚繋靭帯炎の発症による無念の引退となりました。

そんなエピファネイアは現在、北海道安平町の社台スタリオンステーションで種牡馬となり立派に余生を過ごしています。この記事では、エピファネイアの種牡馬成績、産駒の特徴、代表的な産駒をまとめて紹介していきますので、興味がある方はぜひ最後までご覧ください。

エピファネイアの種牡馬成績

現役時代の成績は12戦6勝で、通算獲得賞金は6億8779万円。超良血場として誕生したエピファネイアは、その実力でも良血の血を証明しました。

主な勝ち鞍は菊花賞とジャパンカップですが、引退する最後の年では凱旋門賞の登録も済ませている程、エピファネイア陣営からも高い期待を寄せられていたのがわかります。

エピファネイアが種付けを開始したのは2016年から。

初年度の種付け料は250万円に設定され、社台からはサンデーサイレンス系牝馬とのクロスが可能な種牡馬として高い注目を集めています。

種付け頭数も初年度から221頭、210頭、220頭、224頭と、毎年とくに危惧すべき点がない位に順調に種付けを行っています。

そんなエピファネイアのこれまでの産駒成績は以下の通りです。

勝利回数 順位 獲得賞金
2019年 31回 48位 3億3345万円
2020年 71回 9位 16億105万円
2021年 78回 7位 19億1288万円

初年度産駒がデビューしたのは2019年。

血統登録を持っている産駒のうち75%を超える119頭がインブリードを持っていて、同年6月29日には早くも産駒初勝利馬が誕生します。ちなみに、エピファネイアは初年度に勝利した産駒の数が30頭を超えたのですが、これはディープインパクトとロードカナロアに次ぐ3位の記録です。

その結果、次年度からは種付け料が一気に500万円へ増額されます。詳しくは後述しますが、初となる重賞&G1勝利は2020年のデアリングタクトです。結果として三冠馬を達成したことでさらに種付け料は増額され、現在は1000万円となっています。

また、2021年には前年に引退したアーモンドアイの初年度交配相手に選出。社会現象ともなった名馬の初年度交配相手に選ばれていることから、エピファネイアの種牡馬としての期待値の高さが見て伺えます。

エピファネイア産駒の3つの特徴を紹介

ここからは、エピファネイア産駒の特徴を紹介していきます。

早熟な馬が多い

競走馬は2歳から3歳にかけて活躍する馬を早熟馬、4歳から5歳にかけて活躍する馬を晩成馬と呼びます。エピファネイア産駒の最大の特徴として挙げたいのは早熟馬が多いという点です。

エピファネイア産駒は突出して3歳で活躍する馬が多いため、今後もクラシックレースに出走する産駒がいたらぜひ注目してください。

まだ実績は2019年からの3年間しかありませんが、すでにデアリングタクトというクラシックを3冠した産駒を輩出。他にも、皐月賞と共同通信杯を制したエフフォーリア、アメリカJCCを制したアリストテレスなど、重賞を制覇した馬は軒並み3歳の時に活躍しています。

馬場適正は芝

エピファネイア産駒の馬場適正は芝です。反対に、ダートではまったく活躍できていません。

  • 芝⇒勝率10.1%、連対率22.9%、複勝率31.2%
  • ダート⇒勝率5%、連対率9.4%、複勝率15.1%

その結果はデータからも明らか。また、芝では重賞を制覇した馬が出てきていますが、依然としてダートでは重賞を制した馬は存在しておらず、目立った活躍を残している産駒はいません。

エピファネイア自体も現役時代は芝コースしか走ったことがないですし、血統を見てもダートが強くなる要因はありません。

そのため、完全にエピファネイア産駒の適正は芝でダートは苦手と考えていいでしょう。

芝の長距離が得意

エピファネイア産駒が得意としているのは芝の長距離です。

2020年10月18日の時点では、2100m以上の芝では勝率が21.3%です。エピファネイア産駒の全体を通しての勝率は約9%なので、飛躍的に上がっていることが数字でもわかります。

また、これを2500m以上に限定するとさらに勝率は上がり31.3%となり、連対率は37.5%です。このデータは2021年になっても変わらず、引き続き2500mのレースでは勝率が30%以上です。

この結果から、エピファネイア産駒は芝の中長距離のステイヤーといえます。脚質は逃げの方が相性が良く、芝の長距離で内枠を取り抜群のスタートを切れた時はかなり期待できます。

エピファネイア自体も勝利したG1は菊花賞(3000m)とジャパンカップ(2400m)なので、芝の長距離をもともと得意としています。反対に海外へ遠征した時の2000mでは思っているような結果は残せていませんので、この特性は産駒に色濃く継がれているといえるでしょう。

エピファネイアの代表的な産駒を3頭紹介

最後に、とくに注目すべきエピファネイアの代表的な産駒を紹介していきます。

デアリングタクト

すでにエピファネイア産駒史上最高傑作ともいわれているデアリングタクトは、中央競馬史上初の無敗でも牝馬三冠を達成した名馬です。

無敗の牝馬三冠は、あのアーモンドアイさえ達成できなかった快記録なので、デアリングタクトの名が今後も競馬史に残り続けることは間違いありません。

デアリングタクトは幼少期から才能の片鱗を見せており、2歳の調教時にはスピードを制御しきることができずにスタッフを転落させることもしばしば。

デアリングタクトという名前は父と母の名前から連想して「大胆なタクティクス」を意味する馬名となりました。

デビューから順調に連勝を重ねたデアリングタクトは、史上初となる無敗でも牝馬三冠を達成した後に、これもまた史上初となる三冠馬が三頭出走するジャパンカップに参戦。

アーモンドアイ、コントレイル、デアリングタクトという三頭の三冠馬が出走したレースでは堂々の3着に輝き、その後は金熊賞で2着、QE2世Cで3着という結果を残しています。

現在も現役バリバリの競走馬であり、今後もさらなる活躍が期待されることは間違いありません。

エフフォーリア

ギリシャ語で「強い幸福感」という意味があるエフフォーリアは、デアリングタクトと同様に無敗でクラシックのひとつである皐月賞を制覇した名馬です。

エピファネイア産駒の特徴のひとつに早熟であると紹介しましたが、その理由はデアリングタクトとエフフォーリアを産駒に生み出しているからです。どちらも2歳の時から強く、無敗でクラシックを制覇するという偉業を成し遂げています。

残念ながらエフフォーリアは日本ダービーで敗れたためにクラシック三冠は達成できなかったものの結果は2着。続く天皇賞秋は圧巻の走りで1着に輝いているため、現在6戦を経て1着5回に2着1回という堂々たる成績を残しています。

エピファネイア産駒を語るうえでデアリングタクトとこちらのエフフォーリアは外せません。

ちなみに敗れた日本ダービーでは圧倒的な単勝1.7倍という1番人気に推されており、過去に多くの優勝馬を輩出した1枠1番でスタートします。結果は2着でしたが1着との差は僅か10㎝という結果でしたので、その強さを疑う人はひとりもいません。

ちなみに日本ダービーでは父のエピファネイア、父の父であるシンボリクリスエス、母の父であるハーツクライも全員が2着で1着に輝いたことがありません。一族の無念を晴らすかと期待されたレースでしたが、結果は惜しくも2着ということになりました。

デアリングタクトと同様にエピファネイアも現役バリバリの競走馬です。今後どのような伝説を作っていくのか今から期待が止まりません!

アリストテレス

エピファネイア産駒は前述したデアリングタクトとエフフォーリアが飛び抜けて凄い活躍を残しているため、後の馬は少々見劣りしてしまう部分があります。

しかし、そんな中でもおすすめしたい産駒はアリストテレス。主な勝ち鞍はアメリカンジョッキークラブカップのG2だけですが、競争成績は14戦4勝で、通算獲得賞金額は2億円を超えています。

早熟で活躍する馬が多いエピファネイア産駒ですが、その中では珍しくアリストテレスは晩成の馬です。初勝利は2歳未勝利ですが、才能が開花して初の重賞制覇となったのは4歳の時。G1にも出走しており、菊花賞では2着、天皇賞春では4着と善戦しています。

とくに競馬ファンの脳裏に残っているのは菊花賞ではないでしょうか。このレースはコントレイルの無敗の三冠がかかっていたレースということもあり高い注目度でしたが、最後の最後までわからない波乱の展開でした。

最後の直線でアリストテレスはコントレイルと競い合いながら、わずかなクビの差で負けてしまったのです。同年に同じ産駒のデアリングタクトが牝馬で無敗の三冠を達成しているため、エピファネイア産駒の注目度がさらに増したレースであるともいえるでしょう。

まとめ

エピファネイア産駒の特徴と代表的な産駒を紹介してきましたが参考になりましたか?

エピファネイア産駒は3歳のクラシック戦線で活躍する早熟馬が多く、馬場適正は芝で体力がある馬が多いという特徴があります。

それでいて最後の直線で相手をかわし切る切れ味も持っており、デアリングタクトやエフフォーリアといった時代を代表する名馬をすでに輩出していることから、今後もさらに注目すべき種牡馬であるといえます。

歴史的名馬アーモンドアイの初年度交配相手に選ばれているため、今後は父エピファネイア、母アーモンドアイという産駒が誕生することもあるかもしれません!

この記事の監修者
後藤孝男
後藤孝男(ごとう・たかお)
大学卒業後、東京タイムズ社に入社。中央競馬担当記者となり全国の競馬場を初め美浦、栗東トレセンなどへ赴き、取材に、予想にと活躍。同紙休刊後は、実績を買われて競馬専門紙「馬三郎」に創刊メンバーとして参画、一昨年からは美浦トレセン北馬場時計班として毎週、サラブレッド達の調教に目を凝らす。
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