ドゥラメンテ産駒の評判は?代表的な産駒や成績を紹介!

ドゥラメンテ

イタリア語で荒々しいという意味をもつドゥラメンテ。

ドゥラメンテは皐月賞とダービーの二冠を達成しドバイや宝塚記念でも二着と健闘するものの、競争中の怪我による競争能力喪失で引退した悲願の名馬です。

レースの数はそこまで多くないものの、すべてのレースで連対を達成するという圧巻の強さを見せました。

引退後は種牡馬として活躍していたものの、2021年8月31日19時に急性大腸炎で死去

死亡する1週間前から右前肢の蹄冠部外傷の治療を行っていて経過は良好だったため、まさかの死亡のニュースに多くの競馬ファンが涙を流しました。

この記事では、今は亡きドゥラメンテが遺した産駒の特徴や成績などをまとめて紹介していきます。

現役時代の活躍も合わせて紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

ドゥラメンテはどんな馬?

ドゥラメンテの特徴

産駒の特徴を紹介していく前に、まずはドゥラメンテの現役時代の活躍や特徴を紹介します。

特徴

2012年3月22日に誕生したドゥラメンテは、生まれた直後は骨の成長が早すぎるために馬体が薄かったため、ある程度じっくりと育成してくれる厩舎がいいということで美浦トレーニングセンターの堀宣行厩舎へ預託されます。

デビュー戦は2着でしたが2戦目で6馬身の差をつけて圧勝。

それからは多くの方がご存知のように三歳時のクラシック二冠を達成。

多くの方に注目される馬として期待されていましたが、冒頭でも説明したように怪我による競争能力喪失で引退。

志半ばでの引退ということで多くの競馬ファンが落胆する形となりました。

競走馬としての特徴は、なんといってもトップスピードです。

育成調教を担当した林宏樹氏によると、もしも車に例えると3速にいれたのに6速で走っているような印象と答えています。

キャンターでは安定した走るを見せることができるため、爆発的な直線でのスピードを出せているのです。

皐月賞に騎乗したデムーロは「ネオルニヴァースに似ている」と答えています。

本当に強く、馬体や考え方ががそっくりともインタビューで回答しており、騎乗した騎手からも賢さと強さの双方を兼ね備えている馬であるということがよくわかります。

ちなみに、ドゥラメンテはドバイと宝塚記念で連続2着だった後に引退しているのですが、怪我がなければそのまま凱旋門賞へ挑戦するプランがありました。

怪我が発症した後は今後のローテーションは不明であると回答され、そのまま競争能力が喪失されてしまったため、引退という形になりました。

もしもあの時、全盛期のドゥラメンテが凱旋門賞に挑戦していたら…競馬ファンであれば誰もが一度は考えたことがあるのではないでしょうか。

ドゥラメンテは力強さと賢さ、そして瞬発力を兼ね備えている馬だったので、世界最高峰の凱旋門賞でもいい走りができたのではないかといわれています。

血統

ドゥラメンテは父キングカメハメハ、母アドマイヤグルーヴ、母父サンデーサイレンスという良血です。

エリザベス女王杯を制覇したアドマイヤグルーヴはドゥラメンテを出産した直後に亡くなっているため、最後の産駒となりました。

祖母のエアグルーヴがダービーと天皇賞秋、その母のダイナカールもダービーを制覇しているため、母子4代でのG1制覇という珍しい偉業も成し遂げています。

父のキングカメハメハは、言わずと知れた日本における最高峰の種牡馬。

主な産駒はドゥラメンテ以外にもロードカナロア、レイデオロ、ミッキーロケット、アパパネ、ルーラーシップなど、日本の競馬史に名を残している名馬が並びます。

とくに最近ではロードカナロアが注目されており、史上最高牝馬との呼び声も高いアーモンドアイを生み出した種牡馬として知られています。

ドゥラメンテは超良血馬として誕生し、期待をそのままに走り抜けたエリートのサラブレッドなのです。

競争成績

ドゥラメンテは全盛期の途中に志半ばで怪我により引退した馬です。

そのため、普通の競走馬よりもレース数が少ないです。

しかし、その堂々たる成績は名馬としての名に恥じないもの。

主な勝ち鞍は以下の通りです。

  • 中山記念
  • 日本ダービー
  • 皐月賞

G1の勝利は三歳時のダービーと皐月賞のみですが、ドバイ、宝塚記念と僅差の2着を2回経験しています。

二冠を達成した2015年はJRA賞3歳最優秀牡馬にも選出されているため、文字通り世代最強でした。

生涯成績は9戦5勝で、獲得賞金は5億1660万7000円。

ちなみに、三冠達成がかかっていた菊花賞に参加するか凱旋門賞に参加するかの二択でしたが、検査の際に両橈骨遠位端骨折が発見されたため、どちらの出走も見送りという形になりました。

約半年のリハビリを経ての中山記念で快勝し、その後はドバイと宝塚記念の2着という結果です。

その人気は当時からすさまじく、ダービー以降の秋シーズンは全休を余儀なくされていたものの宝塚記念の投票は投票数291票中285票という圧倒的な得票数で最優秀3歳牡馬に選出されます。

しかし、常に怪我に悩まされていたドゥラメンテは、ドバイで馬場入場後右前脚の蹄鉄を落鉄するアクシデントが発生。

宝塚記念の後には左前肢ハ行と診断され、引退となりました。

種牡馬成績

現役を引退してからは種牡馬となり、2017年から供用が開始されました。

同年は国内年間種付頭数284頭で過去最高記録を達成し、翌年もロードカナロアに次ぐ290頭の繁殖牝馬と交配されます。

初年度産駒のデビューは2020年で、同年6月7日にアスコルターレが勝利。

2021年3月7日にタイトルホルダーが弥生賞ディープインパクト記念を制して重賞初勝利を飾ります。

  • 2020年⇒出走102頭、勝利37回、重賞勝利0回
  • 2021年⇒出走199頭、勝利54回、重賞勝利1回

種付け料は2020年度が700万円、2021年度は1000万円でした。
しかし、冒頭でも説明した通り2021年8月31日に急性大腸炎のため死亡。

2021年に種付けした子どもたちが最後の産駒ということになります。

ドゥラメンテ産駒の特徴

ドゥラメンテ産駒の特徴

ここからは、ドゥラメンテ産駒の特徴、強いコース、苦手なコースなどを紹介していきます。

牡馬と牝馬で適正距離が違う

これまでのデータをみると、ドゥラメンテ産駒は牡馬と牝馬で適正距離に違いがあるという特徴があります。

ドゥラメンテの代表的な産駒であるタイトルホルダーが弥生賞を制覇したことからもわかる通り、牡馬は完全に短距離型です。

他の産駒も1600~1800mでは複勝率30%前後と高いため、ドゥラメンテの父であるキングカメハメハの血を色濃く継いでいるのがわかります。

そのため、ドゥラメンテの牡馬でレース距離から絞ろうと考えている場合は、1600mを軸にすることをおすすめします。

その一方で牝馬は、中距離以上に適正があります。

これまで1600m以下では9勝しかできていませんが、中距離以上では17勝もしているため、1800~2400mあたりの距離が適正であるといえます。

もともとドゥラメンテは万能タイプの競走馬で、マイルから中距離を得意にしていました。

切れ味が鋭い瞬発力が魅力的な種牡馬だったのでそれが牝馬には色濃く受け継がれており、得意な距離が長くなっています。

気性の荒さを継承する可能性が高い

ドゥラメンテの母方にはサンデーサイレンスの血が入っています。

競馬ファンであれば知っていますが、サンデーサイレンス系は気性の荒さで有名。

その血を継いでいるのかドゥラメンテ自体も気性は荒くレースに向かう姿勢が野性的な馬でした。

気性の荒さは勝負根性が強くなるというメリットがある一方で、レースに集中できないというデメリットもあります。

ドゥラメンテは気性の荒さが良い方向に向いている好例でしたが、産駒はどうなるかわかりません。

SS系の血を引き継いでいるため、ドゥラメンテ産駒が気性が荒くなる可能性は高いでしょう。

手足が長い

ドゥラメンテ産駒は手足と胴が長い仔が多いという特徴があります。

そもそもドゥラメンテも手足と胴が長いため、飛び幅が大きくそれが瞬発力の高さに繋がっていました。

手足が長い仔は広い東京競馬場などを得意とするため、小回りが必要ない会場でレースを行われる場合はドゥラメンテ産駒に注目してみましょう。

しっかりとした体格の仔が生まれやすいという特徴がありますので、距離適性は中距離あたりを狙ってみるのがいいかもしれません。

体格とドゥラメンテ譲りの瞬発力を兼ね備えている産駒が誕生すれば、とんでもない化け物が生まれる可能性も十分に考えられます。

代表的なドゥラメンテ産駒のタイトルホルダー

タイトルホルダー

ドゥラメンテ産駒で最も注目してほしい馬はタイトルホルダーです。

デビュー戦で1番人気に応える1着。

三歳時に出走した弥生賞でドゥラメンテ産駒として初の重賞制覇を成し遂げてそのままクラシック戦線へと向かいますが、皐月賞では2着日本ダービーでは6着と勝利することはできませんでした。

しかしながら、皐月賞では惜しくも2着という好成績なので、世代のなかではトップクラスの実力を兼ね備えていることは間違いありません。

重賞勝利した弥生賞では抜群のスタートからそのまま好位置をキープして逃げ切ったので、スタートど道中で埋もれない位置取りが課題です。

前述したようにドゥラメンテはすでに亡くなっているため、今生まれている仔が引退すれば産駒はいなくなります。

ドゥラメンテの血を後世へ受け継ぐためにも、今後のタイトルホルダーの活躍からは目が離せません。

まとめ

怪我に泣かされた稀代の名馬ドゥラメンテは、種牡馬となった後も怪我の影響により長くは生きることができませんでした。

しかし、初年度284頭、翌年290頭と棚付けの数は非常に多いため、これからの1年から2年で数多くのドゥラメンテ産駒が競馬界に登場するはずです。

父譲りの瞬発力と抜群の勝負勘を持つ産駒はこれから誕生するのでしょうか?

凱旋門賞を制覇する実力があるとまでいわれた稀代の名馬であるドゥラメンテ産駒の今後の活躍に期待しましょう。

この記事の監修者
後藤孝男
後藤孝男(ごとう・たかお)
大学卒業後、東京タイムズ社に入社。中央競馬担当記者となり全国の競馬場を初め美浦、栗東トレセンなどへ赴き、取材に、予想にと活躍。同紙休刊後は、実績を買われて競馬専門紙「馬三郎」に創刊メンバーとして参画、一昨年からは美浦トレセン北馬場時計班として毎週、サラブレッド達の調教に目を凝らす。
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