ゴールドシップ産駒の評判は?代表的な産駒や成績を紹介!

ゴールドシップ

現役を引退した今なお高い人気を誇っているゴールドシップ。

生涯獲得賞金約14億円という無類の強さはもちろんですが、圧倒的に誰からも愛される特異なキャラクターも人気の秘訣。

2012年のJRA最優秀3歳牡馬や皐月賞、菊花賞、有馬記念を制した名馬は、現在は種牡馬として数多くの産駒を輩出しています。

この記事では、現役時代のゴールドシップの特徴や競争成績と合わせて、ゴールドシップ産駒の評判や特徴などをまとめて紹介していきます。

ゴールドシップはどんな馬?

ゴールドシップの特徴

そもそもゴールドシップのことをまったく知らないという方もいるかもしれませんので、まずは現役時代の特徴、血統、競争成績などをまとめて紹介していきます。

特徴

ゴールドシップは2009年3月6日生まれた馬で、灰色のきれいな芦毛が特徴です。
G1で活躍する芦毛は珍しいので、ゴールドシップは馬群に飲まれても目立つ馬でした。

血統や競争成績についての詳しい情報は後述していきますので、この項目ではサラブレットとしてのゴールドシップの特徴にフォーカスを当てて紹介していきます。

ゴールドシップは馬体が高速回転が苦手な体格だったので、先行策が難しい馬でした。
そのため、多くのレースで後方を走り、スタートも決して得意な馬ではありません。

また、とにかく気性が荒いという特徴を持っており、調教助手の人を振り回して骨折させたり、馬に近づいて威嚇や噛みつこうとしたり、本気で走ろうとしないなどの素行面の問題がありました。

しかし、未だに多くの競馬ファンがゴールドシップを好きな理由も、この素行面の荒さにあります。
人の言うことを聞かずにぴょんぴょんと飛び跳ねる姿や、みんなが整列しているなかで自分だけがゲートに入ろうとしない姿は、今でも多くのファンを虜にしている要因です。

これだけ素行が悪い馬でありながら多くのタイトルを獲得できた理由は、強靭かつ柔らかい筋肉を持っていたというのが大きな理由です。
収縮力の強い筋肉があるので後半でもバテず、驚異的な末脚で長距離レースを得意としていました。

血統

ゴールドシップは、父ステイゴールド、母ポイントフラッグの血統です。

ステイゴールドは競馬ファンであれば誰でも知っている言わずと知れた名馬ですが、母のポイントフラッグも母父がメジロマックイーンです。
つまり、ゴールドシップは超良血馬です。

黄金配合という異名がつく位の血統で、気性の荒さはステイゴールドから引き継いでいるといわれています。ちなみに、オルフェーヴルも気性が荒いステイゴールド産駒なので、ゴールドシップと共に素行の荒さを色濃く引き継いでいるのがわかります。

競争成績

ゴールドシップはG1をはじめとする数多くのタイトルを獲得していますが、まさかの惨敗が多い馬でもありました。
通算成績は「28戦13勝」、獲得賞金額は「13億9776万7000円です。

主な勝ち鞍は以下の通りです。

  • 皐月賞
  • 菊花賞
  • 有馬記念
  • 宝塚記念
  • 天皇賞(春)

ファン投票で選ばれるグランプリと呼ばれる有馬記念と宝塚記念を両方制覇しているほか、宝塚記念は2013年と14年の2連覇を達成しています。

出走した28戦のうち15回が1番人気で2番人気が10回と常に高い人気を誇っていましたが、圧倒的な勝利でレースを決める一方で、スタートミスなどの理由で惨敗することも多くある馬でした。

圧倒的に強いけど何があるかわからない馬…それがゴールドシップなのです。

種牡馬成績

2015年8月2日に約10億円のシンジケートが組まれて種牡馬になることが決定したゴールドシップは、2016年からビッグファームレートで種付けが開始されました。

種付け料は受胎条件で250万円に設定されていて、翌2017年には79頭が誕生。同年7月のセールではマイジェンの2017が5,000万円で落札されました。

ゴールドシップの種牡馬成績は以下の通りです。

  • 2019年⇒出走頭数52頭、勝鞍回数10回、重賞勝馬1頭
  • 2020年⇒出走頭数116頭、勝鞍回数40回、重賞勝馬0頭
  • 2021年⇒出走頭数130頭、勝鞍回数34回、重賞勝馬2頭
  • 2022年⇒出走頭数153頭、勝鞍回数48回、重賞勝馬1頭
  • 2023年⇒出走頭数180頭、勝鞍回数57回、重賞勝馬3頭
  • 2024年⇒出走頭数117頭、勝鞍回数24回、重賞勝馬2頭

G1勝利馬を1頭排出しているものの、上記記録を見てもらえればわかる通りゴールドシップ産駒はまだ目立った活躍をしている馬は出てきていません。

これからの活躍に期待です。

ゴールドシップ産駒の特徴

ゴールドシップ産駒の特徴

上記項目では種牡馬ゴールドシップの特徴などを紹介してきましたが、ここからは産駒の特徴や得意レースなどを詳しく紹介していきます。

中距離を得意とする馬が多い

種牡馬のゴールドシップ自体も中距離から長距離が得意なスタミナタイプの馬でしたが、その特徴は産駒にも引き継がれています。
今でも1200mで産駒は勝利した経験がなく、1400mの勝利数も1勝のみ。完全に中距離から長距離が得意な馬が生まれるというのがわかります。

最も勝ち鞍が多い距離は1800m以上で、狙い目は2500m以上のレースです。
強靭なスタミナを武器に最後まで粘り付き、最終コーナーで末脚でかわすという親譲りのレース展開をする産駒が多いので、しっかりと得意レースは把握しておきましょう。

札幌競馬場の成績が良い

調べてみると、ゴールドシップ産駒は札幌競馬場のレースのみ抜群に成績が良いということが判明しました。
おそらくその理由は涼しいので体力が削られにくいという点と、ほぼ平坦なコースなので走りやすいというのが大きな要因になっているはずです。

芝2600mなどのゴールドシップ産駒が得意な長距離レースも組まれているため、札幌競馬場との相性が良いのかもしれません。

逆に、これまでのデータから分析すると、京都競馬場、東京競馬場、阪神競馬場を不得意としています。
この3レースでは本来であれば得意なはずの1800mでも結果を残せていないため、ゴールドシップ産駒の馬を購入する時は覚えておきましょう。

パワーとスタミナを兼ね備えた名馬が生まれる可能性はある

皆さんご存知の通り、競馬はブラッドスポーツと呼ばれるほど血統が重要です。

ゴールドシップはパワーとスタミナを兼ね備えていた名馬ですが、気性が荒いという難点があるため惨敗も多かった馬です。
しかし、馬のいいところを引き継げる競馬では、ゴールドシップのパワーとスタミナを兼ね備えた長距離特化型のサラブレッドが生まれる可能性はあります。

何よりも期待したいのが、ゴールドシップの厩務員として有名な今浪さんが、現在はゴールドシップ産駒の面倒を見ているという点。サトノゴールドという名前の馬で、ゴールドシップよりも優しく襲ってこないから安心と今浪さんはコメントしています。

現在はまだG1戦線でバリバリ活躍している馬は出てきていませんが、パワーとスタミナが必要な有馬記念などで活躍できる馬を輩出できる可能性がある種牡馬であることは間違いありません。
その証拠に、ゴールドシップ産駒は軒並みスタミナがある馬ばかりなのです。

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今回のゴールドシップのように、父、母の血統を知れば知るほど適正を導き出すことができるのも競馬の醍醐味です。

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代表的なゴールドシップ産駒

ここからは代表的なゴールドシップ産駒を紹介していきます。

ユーバーレーベン

ユーバーレーベン

2021年のオークスで優勝したユーバーレーベンは、ゴールドシップ産駒で初となるG1の勝ち馬です。
ドイツ語で「生き残る」という意味を持つ馬で、父はゴールドシップ、母はマイネテレジアという血統。記事執筆時点(2021年9月10日)で7戦2勝です。

デビュー戦は10.2倍の4番人気とあまり高い人気ではありませんでしたが、見事1着。そこからも人気は4番や5番ではあるものの重賞レースで3着が続き、8,9倍の3番人気に推されたオークスで見事G1初勝利という結果を収めました。

ユーバーレーベンはゴールドシップ産駒のなかで最も実力と実績がある馬ですが、性格は父とは正反対。調教助手の話では、おっとりした女の子ということです。調教もいうことを聞いてくれるので簡単で、すぐに誰にでも懐く性格が良い馬みたいです。

荒れた馬場でも対応できるパワーとスタミナが持ち味で、父のゴールドシップと同じように中距離から長距離のレースを得意としていました。

ブラックホール

ブラックホール

父ゴールドシップ、母ヴィーヴァブーケ、母父キングカメハメハのブラックホールも、ゴールドシップ産駒のなかでは代表的な馬です。

惜しくも2021年に左浅趾屈腱脱位の影響により引退となり、現在は千葉県香取市のノースショアで乗馬として余生を過ごしていますが、現役中はG3の札幌ステークスで優勝したり、皐月賞や菊花賞などのG1にも出走経験があります。デビューは2着でそこから連勝を飾る名馬並のスタートダッシュを切ったものの、最後は怪我に泣かされてしまいました。

父のゴールドシップと同様に長距離を得意としており、優勝したレースは1800mでしたが多くは長距離に出走。

スタミナとパワーが持ち味の馬だった父の特徴を受け継いでいました。

ウインキートス

ウインキートス

フィンランド語で「ありがとう」という意味をもつウインキートスは、父ゴールドシップ、母イクスキューズです。

33年ぶりの快挙となる牝馬の目黒記念制覇を達成しており、現在までに17戦して5勝という上出来な結果を残しています。
父ゴールドシップとは違い安定感のある馬で、17戦のうち掲示板を外したのは僅か2回だけです。

G2が最高でG1には出走経験がありませんが、中距離から長距離のレースを得意としている父の特徴を受け継いでいました。

まとめ

今なお多くの競馬ファンに愛されているゴールドシップは、気性の荒さから愛すべき暴君として時代を作りました。種牡馬となった今でも毎年200頭近い種付けをしており、多くの産駒を輩出。今年に入り始めてのG1勝利産駒が誕生したため、今後はますますゴールドシップ産駒への注目が高くなっていくでしょう。

オルフェーヴルなどと比べるとまだ代表的な産駒は排出できていませんが、スタミナに溢れた力強い馬が多いゴールドシップ産駒。皆さんも、ユーバーレーベンを中心にゴールドシップ産駒の馬にぜひ注目してみてください。

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この記事の監修者
後藤孝男
後藤孝男(ごとう・たかお)
大学卒業後、東京タイムズ社に入社。中央競馬担当記者となり全国の競馬場を初め美浦、栗東トレセンなどへ赴き、取材に、予想にと活躍。同紙休刊後は、実績を買われて競馬専門紙「馬三郎」に創刊メンバーとして参画、一昨年からは美浦トレセン北馬場時計班として毎週、サラブレッド達の調教に目を凝らす。
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