キングカメハメハ産駒の3つの特徴と代表的な産駒を3頭紹介!

キングカメハメハ産駒 特徴

2005年から2018年まで社台スタリオンステーションで種牡馬として共用され、2019年8月9日に18歳で天国に召されたキングカメハメハ。

2010年と2011年の2年間は種牡馬として日本のリーディングサイアーに輝いたキングカメハメハは、種牡馬として高い実績を残しながら優秀な産駒を多く誕生させています。

この記事では、キングカメハメハ産駒の特徴や得意なレースを詳しく紹介していきますので、興味がある方はぜひ最後までご覧ください。

キングカメハメハの種牡馬成績

キングカメハメハ

現役時代は8戦7勝で日本ダービーやNHKマイルカップなどを制覇した実績を持つキングカメハメハは、右前浅屈腱炎を発症したことで3歳の時に引退します。

その後は種牡馬に登録され。当時の国内調教馬史上最高額となる総額約21億円でシンジケートが組まれます。2006年7月11日には当時世界最高額となる6億円で産駒が落札されるなど、種牡馬としての注目度は当初から物凄い高さでした。

年度別の種牡馬成績は以下の通りです。

勝利回数 順位 獲得賞金
2008年 30回 52位 4億418万9000円
2009年 176回 9位 18億1380万7000円
2010年 331回 1位 38億6136万2000円
2011年 370回 1位 42億4372万7000円
2012年 420回 2位 48億383万0000円
2013年 405回 2位 47億8463万1000円
2014年 412回 2位 45億2377万3000円
2015年 495回 2位 57億9128万8000円
2016年 413回 2位 45億8420万9000円
2017年 325回 2位 44億6078万6000円
2018年 257回 2位 38億1941万8000円
2019年 248回 5位 26億8530万2000円

ちなみに順位とは種牡馬の順位のことで、産駒の勝利数や獲得賞金額に応じて順位を付けていきます。キングカメハメハは2010年と2011年で1位に輝きますが、以降はすべてディープインパクトに次ぐ2位という好成績を残し続けます。

ディープインパクトには及ばないものの、キングカメハメハは日本でも屈指の種牡馬として長年に渡り高い評価を獲得し続けました。

キングカメハメハ産駒の特徴を3つ紹介

ここからは、キングカメハメハ産駒の特徴を紹介していきます。馬の強さや性格だけではなく予想に役立つレースなども紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

とくに根幹距離に強い

キングカメハメハ産駒は芝やダート、距離を問わずにオールラウンダーに活躍していますが、その中でもとくに根幹距離(1200、1600、2000、2400)に強く重賞でも勝ちやすい傾向にあることがデータからわかります。

  • 1200m⇒連対率18.6%
  • 1600m⇒連対率19.9%
  • 2000m⇒連対率28.9%
  • 2400m⇒連対率28.3%

どの距離でも適度に勝てるキングカメハメハ産駒ですが、唯一苦手としているのは長距離です。2500m以上のレースでは他の距離と比べると高い成績を残せていないため、これから異質な産駒が誕生しない限りでは長距離での信用度は低いといえます。

疲労に弱く怪我が多い

キングカメハメハ自体が怪我をして引退したことも影響しているのかもしれませんが、産駒も怪我が多く疲労に弱い馬が多いという特徴があります。

キングカメハメハの代表的な産駒であるドゥラメンテも皐月賞とダービーを一杯に走ってしまったために骨折してしまいました。他の産駒も疲労に弱い傾向にあるため、体のバランスは良いものの適度な休息は必要になります。

激しいローテーションを組んでしまうと想定通りの活躍を見せることはできにくく、前哨戦も後方一気で勝ってしまうようなことがあると疲労が残る傾向にあります。

幅広い分野で活躍できる

とくに根幹距離で強いと上記で説明しましたが、キングカメハメハ産駒はどのようなレースでも活躍できる傾向にあります。

ディープインパクト産駒が極端に芝と中距離までに強いのとは比例して、キングカメハメハ産駒は長距離でも短距離でもマイルでも、芝でもダートでも活躍しています。活躍の度合いもただ1勝や2勝をするだけではなく、芝でもダートでも重賞レースで勝てる強い馬を輩出しているため、幅広い分野で活躍できる馬を残せる特徴があります。

体のバランスが強い馬を残せるため、距離の長さだけではなく重馬場にも強く苦にしないという特徴があります。

重馬場でも良馬場でも複勝率があまり変わらないところを見てみると、一瞬の切れ味で勝負するのではなく力強さで勝負するタイプの産駒を多く誕生させているということがわかります。

キングカメハメハの代表的な産駒を3頭紹介

さまざまな場面で活躍できるキングカメハメハ産駒ですが、ここからはその中でもとくに代表的な産駒を3頭紹介していきます。

ロードカナロア

キングカメハメハ産駒の最高傑作との呼び声も高いロードカナロア。

日本馬にとっては凱旋門賞よりも勝利するのが難しいといわれていた香港スプリントで優勝した実績を持つ馬で、世代交代の激しいスプリント界で無双。引退するまでの間に短距離G1を6連勝するなどの偉業を成し遂げました。

その実績は凄まじく、スプリンターズステークスと香港スプリントは2012年と13年で連覇。高松宮記念、安田記念も勝利しており、2012年と2013年には最優秀短距離馬の名誉も受賞しています。

デビュー前から評判が高く、併せ馬での走りを受けた調教助手は「なんだこの馬は!」と驚きのコメントを残しています。桁違いに凄すぎたためにどこがどう凄いのか説明できないとのコメントもあり、獣医は2000mでも走れる心臓と評しています。

引退後は種牡馬となり、社会現象を起こしたアーモンドアイを生んでいます。キングカメハメハの優秀な血統を脈々と継いでいるといっても過言ではありません。

アパパネ

史上3頭目の牝馬三冠を達成したアパパネも、キングカメハメハ産駒の代表的な一頭です。三冠の他にもジュベニルフィリーズとヴィクトリアマイルを制覇しており、中央競馬のG1で5勝を挙げています。

名前の由来はハワイに実在するアカハワイミツスイという島から。母が短距離に難がある馬であったためオークスは難しいとされていました。さらに道悪と枠順不利という悪条件が追い打ちをかける恰好にはなりましたが、サンテミリオンと並んで見事に1着でゴール。中央競馬のG1史上初となる同着という珍しい結果になりました。

特徴の項目でも説明しましたが、キングカメハメハ産駒は悪条件の馬場を苦にしない力強い走りが持ち味です。

その後は繁殖牝馬入りしたものの、初年度から6年連続でディープインパクトを相手にして4頭の子どもを産みます。これまでは実力のある子は生み出せていないものの、そこはキングカメハメハの子ども。これから先の活躍に期待です!

レイデオロ

父はキングカメハメハ、母はディープインパクトの姪にあたるラドラーダという超良血馬であるレイデオロは、名伯楽に念願のダービー制覇をもたらした名馬です。

スペイン語で「黄金の王」という意味をもつレイデオロは、デビュー前から注目されていました。デビュー後も若くして大人びた落ち着いたレースを展開し、デビューから順調に3連勝を飾ります。

そして迎えた3歳クラシック。5番人気だった皐月賞では5着、2番人気の日本ダービーでは1着という結果に輝きます。そして神戸新聞杯で勝利した後はジャパンカップで2着と実力の高さをいかんなく発揮し、2017年の最優秀3歳牡馬の栄誉に輝き、天皇賞秋で1着、有馬記念で2着に輝いた2018年には最優秀4歳以上牡馬に輝きます。

注目を集めての凱旋となったドバイシーマクラシックでは4着と6着で2年連続で1着は逃すものの、国内のG1では3勝を飾るなど、順調なキャリアを過ごしました。

2019年12月25日で競走馬登録を抹消され、現在は社台で種牡馬入りしています。まだ産駒は誕生していませんが、キングカメハメハ産駒の特徴を脈々と次いでいるレイデオロの産駒となりますので、その成長からは目が離せません。

まとめ

キングカメハメハ産駒の特徴と代表馬を紹介してきました。

すでに亡くなっているもののその血統は脈々と受け継がれており、現在もキングカメハメハ産駒の走りは見ることができます。特徴としては根幹距離を得意としているものの芝もダートも関係なく好成績を残せる点。あとは、重馬場でも気にしないバランスのいい体を持つ馬が多い点が挙げられます。

しかし、産駒の中には疲労に弱く怪我が多い子が多いため、どれだけ優秀な走りを見せる馬でもローテーションが厳しかったり前のレースで一杯で走っている場合は次走は注意した方が良いかもしれません。

過去にはロードカナロア、アパパネといった三冠馬だけではなく、レイデオロといった名馬も誕生している優秀な種牡馬であるキングカメハメハ。今後は産駒の活躍だけではなく、キングカメハメハが生み出した産駒の子どもにもぜひ注目してください!

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この記事の監修者
後藤孝男
後藤孝男(ごとう・たかお)
大学卒業後、東京タイムズ社に入社。中央競馬担当記者となり全国の競馬場を初め美浦、栗東トレセンなどへ赴き、取材に、予想にと活躍。同紙休刊後は、実績を買われて競馬専門紙「馬三郎」に創刊メンバーとして参画、一昨年からは美浦トレセン北馬場時計班として毎週、サラブレッド達の調教に目を凝らす。
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