競馬で最高時速が記録された歴史と速さに関する3つのポイント

競馬 時速

競走馬のスピード感を競馬場で生で体験したことがある方は、きっとその疾走感溢れる姿に興奮を覚えたと思います。

レースのクライマックスでは、目が釘付けになるほど見応えのある展開やドラマが待っており、ハナ差で勝敗が決まることも珍しくありません。

観客を興奮の渦に巻き込む競走馬が、最高時速何キロメートルで走るか皆さんはご存知ですか?

鍛え抜かれたサラブレッドの速さには、肉体だけでは語れない秘密があります。

この記事で「競馬で最高時速が記録された歴史と速さに関する3つのポイント」について詳しくご紹介していきます。

競馬で最高時速が記録された歴史

実際のレースで競走馬が時速何キロメートルで走っているか、そして競走馬が過去に残した最高時速誕生の歴史など、ここから詳しく触れていきます。

競走馬の平均的な時速

競馬

競走馬の平均的な時速は、短距離レース、長距離レースでそれぞれ異なります。

スピード重視の疾走感が楽しめる短距離レースでは、1ハロン(200m)を10秒〜11秒台では走り抜けることが多く、平均的な時速は70km/h前後となります。

スタミナや駆け引きが勝負を左右する長距離レースでは、1ハロンを12秒〜13秒台で走り抜けることが多く、短距離レースよりもやや遅い時速54kmくらいに落ち着きます。

競走馬の時速を現実世界のものと比較すると、その速さが想像できると思います。

  • 原動機付自転車:30km/h
  • 電車:50km/h〜110km/h
  • 競走馬(長距離):54km/h
  • ライオン:58km/h
  • 自動車:60km/h
  • 競走馬(短距離):70km/h
  • ダチョウ:70km/h
  • チーター:110km/h
  • 新幹線:300km/h

短距離の場合、一般道を走る自動車よりも速い速度でレースが繰り広げられるため、迫力と見応えがあるレース展開を楽しめます。

最高時速75kmが誕生した歴史

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これまでの競馬史上最高時速が記録されたのは、2002年に開催されたアイビスサマーダッシュでの1000mの短距離レースになります。

4ハロン目となる600m〜800mの区間で、時速75km/hという驚異的な速さが計測されました。当時の馬の負担重量は56kgでした。

しかし、圧倒的な時速を誇る馬が必ずしもレースで勝てるというわけではありません。

言わずと知れた名馬ディープインパクトの時速は、最速で65km/h以上、平均で約63.9km/hという記録が残っています。

競走馬の最高時速に届かなくても、圧倒的に強い馬は誕生します。

速さだけでは絶対に勝てないという点は、競馬の奥深さ、面白さの要因です。

クォーターホースが圧倒的速さを記録

クォーターホース

最初の純米国産の品種とされるクォーターホースは、サラブレッドより気性が穏やかで、短距離レースでの瞬発力に優れています。

過去にアメリカのマウントプレザントメドウズで行われたレースで、その圧倒的な速さを観客に見せつけています。

クォーターホースは、402mの短距離レースでその爆発力を存分に発揮し、時速92.4km/hというとんでもない記録を叩き出しました。

日本の競走馬として、クォーターホースの圧倒的な速さを見ることはできないのは残念です。

競走馬の速さに関する3つのポイント

品種改良を繰り返し、速さを追求されてきた現在のサラブレッドは、鍛え抜かれた4本の脚の筋肉で自動車に匹敵する時速を出すことができます。

その速さの秘密は一体どこにあるのか?

ここからは、競走馬の速さに関する3つのポイントについて詳しく触れていきます。

2種類の走り方

競馬 追いきり

馬の世界の中でも屈指の速さを誇るサラブレッドは、レース中により速く走れる2種類の走り方を使いこなしています。

スタートを切ってから10秒間は、回転襲歩という加速に優れた走り方をします。

最初は左の後肢、そして右の後肢を着地させ、次は右の前肢、そして左の前肢を着地させて走ります。まるで足が回転しているかのような走り方で、回転襲歩と名付けられています。

回転襲歩の場合、最後に手前肢が地面を蹴った直後に体が宙に浮いてる空間期がきます。飛ぶように走るとはまさにこのようなことです。

回転襲歩で加速した後は、交叉襲歩という走り方に切り替わります。

左の前肢が最初に着地し、最後に右の前肢が着地するという交差した形の走り方になります。少ない揺れで長く安定した走りを続けることができます。

加速するための回転襲歩、そして少ない揺れで安定した走りができる交叉襲歩という2種類の走り方の使い分けで、時速70km/hも出る疾走感溢れる競走馬のレースが繰り広げられています。

強靭な心臓

競走馬

サラブレッドが時速70km/hで走れる秘密は、その強靭な心臓にもあります。

人間の心臓の重さは250g〜300gくらいですが、馬の心臓の重さは20倍となる4,000g〜5,000gにも及びます。

また、他の動物と比較すると血液の量が多く大きな表面積があるため、身体全体に効率よく酸素を運搬できるようなつくりになっています。

この強靭な心臓は、上下が激しい心拍数のコントロールにも機能しています。

正常時の人間の心拍数は男性で60〜70くらいが平気ですが、サラブレッドの場合は30というかなりゆっくりな心拍数です。

しかし、高速で走り抜けるレース時の心拍数は、一気に200以上まで跳ね上がります。

その後、正常時の心拍数まで戻るのも早く、この高性能な心臓が最高時速を出せる要因のひとつとなっています。

サラブレッドの場合、トレーニングを積むことで更に心臓を大きくなることも判明しています。トレーニングを積んだサラブレッドは、正常時の心拍数が30を切ることもあるようです。

心拍数の上下が短い時間で起こるサラブレッドですが、驚いた時でも心拍数が一気に100近く上がることもあります。

強靭な心臓というイメージが強いですが、繊細な部分もあるため調教時は気をつける必要があります。

騎手の力量

京都競馬場 パドック 騎手

競走馬のレース時の速さに関わる要因は、馬の肉体だけではありません。

馬に乗って一緒に勝利を目指す騎手の力量も大きく関わっています。

騎手になるためには、身体的な条件をクリアしつつ、競馬学校を卒業する必要があります。

騎手になるための狭き門を突破した者たちが、現在競馬場で見られるような有名騎手になれる資格を得られます。

レースに関わる騎手の力量は、連対率40%以上の武豊騎手を見ると分かるように、想像以上に大きく関わってきます。

レース時のコース取りのテクニックは馬の気性や特徴を深く理解した騎手だからこそ、最適解に導くことができます。

どれだけ完成された馬に乗っても、騎手の乗り方次第で勝てるレースを落とすことも多々あります。

中央競馬は一流馬が揃うため、強い馬に乗った騎手同時の力量が常に試されています。

鍛え上げられたサラブレッドと、騎手の磨き上げられた腕が揃うことで、観客を大興奮させるスピード感溢れるレースが期待できます。

まとめ

競走馬は短距離レースでは時速70km/h、長距離レースでは時速54kmという速さで駆け抜けます。

自動車ほどの時速を出せる秘密は、回転襲歩と交叉襲歩という2種類の走り方の使い分け、強靭で高性能な心臓、そして騎手の力量にあります。

ただ速いだけでは勝てない競馬において時速に注目する人は少ないかもしれませんが、品種改良が繰り返されているサラブレッドの肉体と騎手あってこそ、観客を興奮させるスピード感が生まれます。

競馬について更に深く知りたい方は、この記事でご紹介した競走馬の速さに関するポイントを思い出しながら次のレースを楽しんでみましょう。