期待して買ったはずの馬が出遅れで敗退する…なんて経験は競馬ファンなら1度はあると思います。
せっかく期待して買った馬券、できるだけ損をしたくないというのが本音です。
人気・実力ともにNo1の馬でも起きてしまう「出遅れ」は何が原因なのでしょうか。
今回は競馬で起きる出遅れについて、原因や回避する方法、過去に話題になった出遅れのレースを紹介しています。
競馬で出遅れが起こる3つの原因とは?
競馬で出遅れが起きる原因は馬によってさまざまです。
馬のコンディションや天候、もともとある馬の習性など、考えられる原因は数多くあります。
しかし、その中でも大きな要因とされる「馬の性格」「足を滑らせるなどのトラブル」「騎手によるミス」の3つの原因について紹介します。
①馬の性格
もともと馬は狭いところが苦手な動物です。
しかし、ゲートで待機ができないとレースに出場する権利が与えられないため、訓練や調教によって慣らしていきます。
それでも性格的にゲートが苦手な馬などもいるため、騎手がうまくコントロールする必要があるのです。
また、レース前に普段と違うことがあると馬も緊張し、ゲートでの落ち着きがなくなるということもあります。
これが結果的に出遅れへと繋がってしまうので、性格的に出遅れしやすい馬というのも存在するのです。
ちなみにレース前にゲートで暴れた馬は再審査が必要となり、審査の内容によってはレースに出られない可能性もあります。
②足を滑らせるなどのトラブル
競馬場では芝や砂のコンディションが悪い場合があり、馬がまれに足を滑らせてしまうことがあります。
完全にアクシデントのため予測するのが難しく、またどの馬にもありえるトラブルです。
レース前の天候やコースの状態を見ながら、可能性を頭に入れておくと良いでしょう。
③騎手によるミス
レースがスタートする瞬間に、騎手が馬へ合図を送ります。
馬はその合図によってスタートするので、騎手の合図がうまくいかないと出遅れの原因になるのです。
それぞれスタートの上手い騎手、遅れがちな騎手がいますが、スタートが苦手でも他の部分で挽回できるため、成績にはあまり響かないことが多いとされています。
しかし、精度が高い予想をするためにも、スタートが苦手な騎手はチェックしておくと良いでしょう。
競馬での出遅れを回避する方法はある?
競馬で起こるスタート時の出遅れですが、馬券を買っている身としてはできるだけ回避したいところでしょう。
しかし、実際に出遅れを回避する方法はあるのでしょうか。
以下でくわしく解説していきます。
馬の性格上仕方がない場合もある
馬の性格上、出遅れを完全に回避するというのは難しくなります。
そもそも馬は草食動物なので、動かずにじっとしていることが苦手です。
そのため、ゲートのような狭い場所で身動きが取れないことで落ち着きがなくなり、キョロキョロしてしまいます。
その結果、スタートが遅れてしまいますが、この習性は調教をしても完全になくすことはできません。
競走馬としてデビューする前には、ゲート試験と呼ばれる試験があります。
この試験をクリアしないとレースに出場できないため調教師も慎重に練習を重ねますが、馬自身の性格が臆病だったり、ゲートが苦手な馬という場合もあります。
レース直前の様子がいつもと違うだけでも緊張してしまったり、本来の力が出せない馬もいるため、馬のその日のコンディションによっても出遅れが起きる可能性があるのです。
馬は繊細な動物ですので、完全に出遅れをなくす、馬のコンディションを把握するというのは難しくなってしまいます。
馬の出遅れで損をしないためには
突発的なアクシデントは予想しづらいですが、実際にはスタートが遅れがちな馬やスタートが苦手な騎手というのは存在します。
馬の出遅れで損をしないためには、出遅れが起こりがちな馬や騎手をきちんと把握しておくことです。
馬券を買う前に、出遅れが起こる可能性も考慮しながら予想を進めていきましょう。
競馬の出遅れが話題となった過去のレース
過去に出遅れが話題となり、競馬ファンの記憶に残ったレースがいくつかあります。
- 2008年12月15日水沢競馬10R「たろし滝レース B2一組」
- 2015年6月28日阪神競馬11R「第56回宝塚記念(G1)」
その中から特に注目を浴びた上記2つのレースを紹介します。
2008年12月15日水沢競馬10R「たろし滝レース B2一組」
2008年12月15日に行われた水沢競馬での「たろし滝レース」。
このレースでは、歴史に残る驚きの展開が待っていました。
各出走馬のコースは以下の通りです。
- ロックエモーション
- グレイスオペラ
- マサノパンダ
- トウカイブレイズ
- メジャーオブラヴ
- ハナケンロマン
- セイントプラウド
- ガッサンシャトル
- ジェド
- マツノマオ
このレースの1番人気は「①ロックエモーション」で、多くの競馬ファンがロックエモーションの勝敗に注目していました。
レースがスタートし、⑨ジェドが大きく出遅れて③マサノパンダが先頭に立ちました。
しかし、⑨ジェドが一瞬で距離を詰め、先頭に躍り出たのです。
さらに⑨ジェドは先頭集団を引き離し、最終的には10馬身ほどの差をつけて圧倒的な勝利となりました。
このレースは現在でも伝説的のレース集として紹介されることが多く、競馬ファンも記憶に残っている方は多いのではないでしょうか。
ジェドだけではなく、個性派ジョッキーとして知られる草地騎手にも注目が集まりました。
2015年6月28日阪神競馬11R「第56回宝塚記念(G1)」
2015年6月28日に阪神競馬で行われた「第56回宝塚記念(G1)」でも話題となった出遅れレースがありました。
各出走馬のコースは以下の通りです。
- ショウナンパンドラ
- トーセンスターダム
- ネオブラックダイヤ
- アドマイヤスピカ
- カレンミロティック
- デニムアンドルビー
- ワンアンドオンリー
- ディアデラマドレ
- トウシンモンステラ
- オーシャンブルー
- ヌーヴォレコルト
- レッドデイヴィス
- ラキシス
- トーホウジャッカル
- ゴールドシップ
- ラブリーデイ
この日注目されていたのはゴールドシップの勝敗。
ゴールドシップは前年に続き、ファン投票1位を獲得する人気となっていました。
このレースで「JRA同一平地Gl競走3連覇」という空前の記録が達成されるのか、多くの競馬ファンが見守っていたのです。
各出走馬がゲートへ入り、スタートを待ちます。
しかしここでゴールドシップが気性の荒さを出してしまい、ゲート内で立ち上がってしまうのです。
レースがスタートしましたが、立ち上がったゴールドシップは大きく出遅れてしまいます。
挽回を図ろうと後方集団に追いつきますが先頭集団まで辿り着けず、15着という結果に終わってしまったのでした。
このレースでゴールドシップは「枠内駐立不良」という判定を受け、次回のレースまでに発走調教の再審査を行うことになりました。
このレースで1着だった場合Gl3連覇という大きな記録に挑戦していただけに、競馬ファンの落胆は大きかったのではないでしょうか。
このレース以降は成績が落ち込んでしまい、同年12月27日に引退レースが行われています。
まとめ
今回は競馬で起きる出遅れについて、原因や回避する方法、過去に話題になった出遅れのレースについても紹介しました。
馬は元々が臆病な性質の動物のため、実力のある馬や人気のある馬でもその日のコンディションによって出遅れが起こる可能性があります。
また、騎手のミスや相性もあるため、完全に出遅れを回避するのは難しいのが現状です。
過去のレースでの出遅れを見てみると、出遅れても挽回ができるパターンや、実力のある馬でも気性が原因で出遅れてしまうパターンなどさまざまなパターンがあります。
できるだけ出遅れによる損をしたくない場合には、出遅れが多い馬や騎手をチェックして予想に盛り込むようにしましょう。