牝馬と牡馬の違いとは?能力差を3つのポイントで徹底解説!

牝馬 牡馬 違い

人間に男と女があるように、競馬にも牡馬(オス)と牝馬(メス)が存在します。レースによっては牝馬限定の場合もあり、女王を決める大きなレースなども存在しています。

しかし、ほとんどのレースでは牡馬でも牝馬でも関係なく出走しており、能力に差はあるのかどうかを考える方も多いのではないでしょうか?

そこで、この記事では、牝馬と牡馬の違いや、能力差があるのかどうかを3つのポイントでご紹介していきたいと思います。

競馬における牝馬と牡馬の違い

一昔前までは、牝馬よりも牡馬の方が強いという認識が一般的でした。しかし、ウオッカやブエナビスタ、ジェンティルドンナ、リスグラシュー、アーモンドアイなど、牝馬でも牡馬に負けない実力を持つ競走馬が増えており、最近では牡馬が押され気味になっている様にも感じます。

では、競馬において牝馬と牡馬でどのような違いがあるのか、まずは詳しくご紹介していきたいと思います。

斤量が2kg違う

基本的には牝馬と牡馬が同一レースに出走する時には、背負う斤量が牝馬の方が2kg少なくなります。レースにおいて異なるのは、この斤量くらいではないでしょうか?他は牝馬だろうと牡馬だろうと差は設けられていません。

また、騎手も女性の場合は斤量が2kg少なくなるので、牝馬牡馬混合のレースで、牝馬に女性騎手が鞍上した時には合計で4kg少なくなるのです。

最近では、藤田菜七子騎手の活躍も目立っているので、もし牝馬を担当する時にはチェックしてみて下さいね。

牝馬限定のレースがある

中央競馬では、牝馬限定のレースがいくつも存在しています。その場合は出走する競走馬全てが牝馬となるため、斤量に差は生じません。

以下では、主な牝馬限定のレースです。

  • 桜花賞
  • オークス
  • 秋華賞
  • エリザベス女王杯
  • ヴィクトリアマイル
  • 阪神ジュベナイルフィリーズ

逆に牡馬限定のG1レースは存在しておらず、出走する競走馬は少ないものの、三歳牡馬クラシックと言われている「皐月賞」「ダービー」「菊花賞」に牝馬が出走することは可能となっています。

桜花賞で2着となったウオッカが、次にオークスではなくダービーに出走し、見事1着を取ったことは有名な話でもあります。

牝馬の方が現役時代が長くなりやすい

基本的に、競走馬は種牡馬の特徴や能力を受け継ぐことが多く、サンデーサイレンスやディープインパクトなど、強力な種牡馬が登場すると一気に競馬界が動きます。

そのため、最近では能力に長けている牡馬は、ケガをしない内に早めに引退することが多く、種牡馬になる事を見越して現役時代を過ごすことが多くなっています。

圧倒的な力で勝利を重ねたディープインパクトも、現役期間は約2年しかなく、種牡馬としての活躍のほうが目立っていましたね。

その点牝馬は、牡馬ほど繫殖牝馬を意識して現役時代を過ごすわけではないので、現役時代が長く多くのレースに出走します。

もちろん、現役で優れた成績を残している場合、繫殖牝馬としての価値も高くなりますが、やはり牡馬と比べると価値は下がってしまいますね。

牝馬と牡馬に能力差はある?

アーモンドアイ ルメール

それでは、ここからは牝馬と牡馬に能力差はあるのかどうかについて考察していきたいと思います。どっちが強い!という結論を出すことは難しいですが、予想の参考にはなると思うので、是非最後までチェックしてみて下さいね。

基本的に牡馬の方が強い傾向にある

牝馬の有力馬は非常に増えてきています。2019年の有馬記念では、ダントツの1番人気になったのは牝馬のアーモンドアイですし、結局勝利したのも牝馬のリスグラシューでした。

また、アーモンドアイは歴代最多のG1レース7勝を達成し、その実力の高さを完全に証明しましたね。

しかし、実際に能力はどちらが上かと聞かれると牡馬と答える人の方が多いのではないでしょうか?

2kgの斤量差が設けられているにも関わらず、そこまで勝率が高くないというのは、ハンデを付けてでも牡馬の方が好走している証拠です。

飛び抜けた能力を持った牝馬は増えてきていますが、総合的に見れば斤量差を考慮しても牡馬を主体にした方が良いのかもしれませんね。

距離が短い方が牝馬が活躍しやすい

牝馬が活躍しやすいレースの特徴としては、距離が短いレースと言うデータがあります。長距離になると力不足が露呈することが多くなってしまい、実力差が浮き彫りになってしまいますが、短距離であればレースの展開によっては良い結果を残せることが多くなるのです。

短距離が得意というよりも、距離が長くなれば長くなるほど苦手になっていくというイメージですね。

つまり、牝馬牡馬混合レースで、距離が1,600m以下であればオッズと能力を考察し狙ってみるのもありというのが結論ですね。

しかし、最近では血統の影響なのか、長距離でも活躍する牝馬は増加傾向にあります。今はまだそこまで勝てていませんが、近い未来牝馬でも関係なくなる時代が来るかもしれませんね。

また、牝馬の中には、牝馬限定のレースでは強いのに、牡馬混合になると途端に凡走する競走馬も少なくありません。

女の子同士だと気軽に話せるのに、男の子が混ざると恥ずかしくて思うように話ができない乙女のようですね。

レース戦績を見て、好走が続いていたとしても、混合戦に弱いかどうかを必ずチェックするようにしましょう。

夏は牝馬が好走しやすい説

競馬には「夏は牝馬」という格言が存在していますが、実はちゃんとした根拠があります。

一つ目は、競馬場のローテーション的に、コースに上り坂がない競馬場が夏に多く、牝馬でもパワー不足になる事が少なくなります。その結果、牡馬に負けないレースを行うことができ良い結果を残せるのです。

二つ目は、強い競走馬が休養になる期間でもあり、実力がそこまで高くない競走馬が多く出走するということがあります。

春のG1戦線から秋のG1戦線に向けて調整する競走馬は多いので、実力差が少なくなり牝馬でも勝てるようになるというわけです。

三つ目は、牝馬の方が牡馬よりも体温調整が上手く、熱さに強いとも言われています。馬は熱さに非常に弱いため、気温が高すぎることで力を発揮できない可能性は高くなります。

夏だから牝馬が強い!というよりも、夏の時期に好走する条件が揃っているという認識の方が良いですね。夏でもハイレベルレースでは、勝つことは難しいですし、上り坂が多い競馬場では凡走する可能性は高くなってしまいます。

しっかりと特徴を把握して馬券に活かすようにしましょう!

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まとめ

今回の記事では、競馬における牝馬と牡馬の違いや能力差について詳しくご紹介させていただきましたが、参考になりましたでしょうか?

昔とは違い、牝馬でも牡馬に全く負けない走るすることも増えて来ましたが、まだまだ能力差を感じる場面はありますね。それでも、牝馬の名馬はどんどん増えて来ているので、今後はどうなるかは分かりません。

斤量差が2kgあるとは言え、それでも牡馬に負けるレースは多く、斤量だけで判断するのは非常に危険だと思います。得意な距離、性格、能力、オッズ、斤量など、多くの要素を予想に取り入れ、展開させていく必要があるでしょう。

また、若い牝馬は成長スピードや、不安定な精神状態となっているため荒れる傾向にあります。

2歳の牝馬限定レースを予想する時には、ある程度波乱を考慮した馬券を購入することをおすすめします。思わぬ高配当をゲットできるかもしれませんよ!

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この記事の監修者
後藤孝男
後藤孝男(ごとう・たかお)
大学卒業後、東京タイムズ社に入社。中央競馬担当記者となり全国の競馬場を初め美浦、栗東トレセンなどへ赴き、取材に、予想にと活躍。同紙休刊後は、実績を買われて競馬専門紙「馬三郎」に創刊メンバーとして参画、一昨年からは美浦トレセン北馬場時計班として毎週、サラブレッド達の調教に目を凝らす。
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