差し馬とは?追込み馬と何が違う?特徴やレース運びを解説

競馬 差し馬とは

競馬の予想をする際に多くの人はレース展開まで考えます。

レース展開は結果を左右するので、各馬の位置取りやペースを考えることは馬券予想に欠かせません。

その際、参考になるのが各馬の脚質です。

出走各馬の脚質はレース展開にダイレクトに影響してくるため、脚質について知っておくことは予想の手助けにもなります。

そこで今回は、何パターンかある脚質の中で「差し」という脚質を持つ「差し馬」についてご紹介します。

差し馬とは?

主に馬群の中団でレースを進める馬のことを差し馬といいます。

4コーナーを周る時には先行集団まで位置を押し上げ、直線で一気に先行馬を抜き去るのがこの脚質にとって理想的なレース運びです。

ただし、馬群の中で競馬をすることが多いため、先行馬が作り出すペース配分に影響を受けたり、他馬に囲まれて十分に力を発揮できないなど、実力通りに走れないこともあります。

競走馬の脚質について

差し馬とは

画像出典:https://jra-van.jp/fun/baken/index11.html

競走馬は、その脚質によって逃げ、先行、差し、追い込みに分類されます。

  • 逃げ・・・先頭を走る馬。
  • 先行・・・逃げ馬の後ろの2番手グループ。
  • 差し・・・中団に位置するグループ。
  • 追い込み・・・最後方に位置するグループ。

競走馬は性格や持久力などによって落ち着いて走れる位置が決まってきます。

例えば、気性が荒くて他馬より先に行きたがる馬は、無理に馬群に入れるより逃げた方がストレスなく走れて力を発揮できるでしょう。

おっとりしている馬はエンジンのかかりが遅いので、無理して先行するよりは馬群の後方で後半勝負に徹した方が良い結果につながります。

また、似たような性格でも脚質が同じとは限らないので、調教師や騎手は常にその馬に適した乗り方を模索しています。

差し馬と前後の脚質との違い

差し馬とは

先行馬や追い込み馬は差し馬の前後の位置で競馬をするので「どこまでが差し馬?」と迷うことがあります。

ここでは、差し馬の前に位置取る「先行馬」と後ろに位置取る「追い込み馬」との違いを解説します。

先行馬との違い

差し馬と先行馬は入り乱れることがあまりないので、位置取りの違いは比較的はっきりと分かります。

なぜ入り乱れないかというと、差し馬は馬群の中団にいたい馬、先行馬は馬群の先頭集団にいたい馬だからです。

差し馬と先行馬の大きな違いはここにあるといっても良いでしょう。

競馬は基本的に逃げ馬や先行馬が有利だと言われており、競馬新聞を読んでいると、「できるだけ前の方で競馬をしたいんだけど・・・」という調教師や騎手のコメントを見ることがあります。

また、脚質別の勝率や連体率のランキングデータを見ても、ほとんどが「先行馬→逃げ馬→差し馬→追い込み馬」の順になっています。

つまり、「競馬は逃げ・先行有利」というデータがある中で、それでも馬群の後方に控えるのが差し馬や追い込み馬なのです。

追い込み馬との違い

差し馬と追い込み馬はどちらも馬群の後方に位置する脚質です。

こちらは展開の紛れで位置が前後することがあるので、差し馬が追い込み馬の位置にいたり、追い込み馬が差し馬の位置にいたりすることもあります。

しかし、それぞれのレース運びに求められる素質という点では大きく違ってきます。

差し馬の場合は馬群の中でレースをしてもひるまない根性が必要ですし、勝負所でスーッと先頭集団に並んでいく器用さも必要です。

一方、追い込み馬の場合、馬群の中でレースをするタフさやスタート直後に先行集団につけるダッシュ力に欠けるケースが少なくありません。

その分、最後の直線では末脚を長く使える長所もありますが、そもそも位置が最後方なので、直線で追い上げても届かないことがよくあります。

このように差し馬と追い込み馬とでは持って生まれた性格や脚力の質に違いがあり、それがそのまま実績の差となって表れています。

歴史に名を残すような名馬の脚質を見ても、追い込み馬よりは差し馬や先行馬の方が圧倒的に多いです。

差し馬のレース運びについて

差し馬のレース運び

ここでは差し馬のレース運びについてまとめます。

理想的なレース運びは

競馬では、「脚をためる」といって、4コーナーの地点までいかに力を温存しておくかが勝つために重要なポイントになってきます。

差し馬も、スタートしてから4コーナー手前までは馬群の中団で他馬と同じペースで走り、3コーナー過ぎたあたりから前へ進出、直線に入ったら最後の力をふり絞って末脚を爆発させる、というのが理想です。

末脚とは最後の直線における加速のことをいいます。

理想的なレース運びに必要なもの

差し馬が理想的なレース運びをするためには、

  • 道中、騎手の制御通りに力を抑えて走る従順さ
  • 馬群の中でもひるまない根性
  • 3コーナー過ぎからの騎手のGOサインにすぐに反応できる機敏さ
  • 直線に入ってから加速する瞬発力とスタミナ

が必要になります。

他馬に負けない身体能力や精神力、そして騎手の指示にすぐに反応できる賢さを持った馬が差し馬として頭角を現すことができるのです。

差し馬にとっての有利・不利なコース

差し馬にとっての有利・不利なコース

差し馬は馬群の中団で他馬に囲まれながらレースを進めるので、展開やコース形状によって有利、不利が生じるケースもあります。

ここでは差し馬にとっての有利・不利を解説します。

直線が長いコースが有利

差し馬はゴール前の直線が長い方が有利です。

4コーナーからゴールまでの直線は最後の力比べの場所でもあり、他の馬も必死です。

後方で脚をためていたとしても直線が短いと追い上げが届かないというケースが十分あります。

しかも各競馬場の直線の長さは以下のようにかなり違います。

(競馬場の直線距離比較)

順位 ダート 順位
札幌競馬場 266m~269m 9 264m 9
函館競馬場 262m~264m 10 260m 10
福島競馬場 292m~299m 7 295m 7
中山競馬場 310m 6 308m 6
東京競馬場 525m 2 501m 1
新潟競馬場 358m(内回り)

658m(外回り)

1 353m 3
中京競馬場 412m 4 410m 2
京都競馬場 323m~403m 5 329m 5
阪神競馬場 356m~476m 3 352m 4
小倉競馬場 293m 8 291m 8

例えば、直線距離が長い新潟(658m)や東京(525m)と、函館競馬場の直線(262m)を比べたら実に倍以上もの差があります。

東京競馬場で華麗な差し切り勝ちをした差し馬が、開催が変わって函館に出走したら脚を余して惜敗なんていうケースも珍しくはありません。

差し馬は直線距離が長い方が力を発揮しやすくて有利なのです。

逃げ馬が多いと有利

逃げ馬が複数いる場合は、逃げ馬同士が先を競って主導権争いをすることがあり、そうなるとレースのペースは早くなります。

どの脚質の馬であっても、レースで勝つためには、最後の直線まで体力を温存し、ゴール前の攻防に勝利しなければなりません。

しかし、レースがハイペースになると、逃げ馬や先行馬など馬群を先頭集団で引っ張っていた馬たちは道中でどんどん体力を消耗してしまいます。

その結果、直線に向いてスタミナ切れで失速し、馬群の中団で脚をためていた差し馬に差し切られてしまう、というのがよくある展開です。

逆に逃げ馬が1頭の場合はペースが落ち着きやすくなります。

すると、逃げ馬や先行馬は体力を消耗せずにすむので、差し馬や追い込み馬が頑張っても届かないというパターンもあります。

馬群に埋もれるリスクもある

差し馬は馬群の中団で競馬をするので、どうしても周りは他馬だらけという状況でレースを進めなくてはなりません。

そのため、3~4コーナーの勝負所で他馬に囲まれていて前に行けなかったり、最後の直線で前がふさがって脚を余したりと、中団待機の脚質ゆえに不利を被るリスクがあります。

騎手の乗り方もかなり影響するので、実力通りに結果が出せない恐れがあります。

見事な差し切り勝ちが見れるレース

差し馬の位置取りから見事に差し切り勝ちを収めているレース動画を、JRA公式チャンネルからピックアップしてご紹介します。

ドウデュースの日本ダービー(2022年)

このレースは後方に控えたドウデュースの差しとイクイノックスの追い込みが決まったレースです。

道中、ドウデュースは後方5~6番手、イクイノックスは後方3番手という位置取りでレースを進めました。

レースは1000m通過が58秒台と淀みないハイペースで展開し、それが後ろにいたドウデュースとイクイノックスに向いたともいえます。

コントレイルのジャパンカップ(2021年)

コントレイルは無敗でクラシック3冠を制した実力馬です。

父馬は史上最強ともいわれるディープインパクトで、親子で無敗の3冠馬となったことで話題になりました。

引退レースとなった2021年のジャパンカップでは、道中7番手~8番手につけて流れに乗り、直線に入ってから末脚を爆発させます。

残り200m地点で先頭に並ぶと瞬く間に抜き去り2馬身差をつけて有終の美を飾りました。

デアリングタクトのオークス(2020年)

デアリングタクトは牝馬3冠を無敗で制した名牝です。

中団で競馬をすることが多く、差し馬と呼ぶにふさわしい競馬をします。

無敗で挑んだオークスでは、道中11番手~12番手で内埒沿いを進み、直線では馬場中央に進路を取るも、前を他馬にふさがれて思うように抜け出せません。

このあたりが差し馬のリスクです。

しかし、残り200m手前で前がばらけると、待ってましたとばかりに一気に加速、キレのある末脚を繰り出してゴール前で見事に差し切り、勝利を収めます。

タワーオブロンドンのスプリンターズステークス(2019年)

スプリンターズステークスは1200mの電撃戦です。

短距離なので先行馬有利、しかも直線が短い中山競馬場での開催と、差し馬や追い込み馬には厳しい条件が揃っています。

タワーオブロンドンは道中は真ん中よりやや後方につけ、3~4コーナー中間から加速を開始、直線に入るとグイグイ伸びて、ゴール前で計ったように差し切りました。

ディープインパクトの菊花賞(2005年)

ディープインパクトが無敗の3冠馬になったレースです。

道中は中団の真ん中、まさに差し馬の位置取りでレースを進め、直線に入って武豊騎手が追い始めると一頭だけ異次元の走りで突き抜けます。

ディープインパクトの脚質は明らかに追い込みですが、このレースでは珍しく差し馬の位置取りから見事な末脚を見せて差し切りました。

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まとめ

以上、差し馬についてのお話でした。

脚質的に勝率や連体率が高いのは先行馬と逃げ馬、とご紹介しましたが、もう少し詳しく見ていくと、実は重賞レースでは差し馬の方が成績が良いというデータがあります。

重賞レースは条件レースを勝ち上がってきた馬たちで競われるハイレベルなレースです。

レース中に目標とされやすい逃げ・先行よりは、先行馬を目標にレースを進められる差しの方がレースがしやすいと判断する陣営が多くなるのかもしれません。

見方によっては能力値が高い馬同士だからこそ成り立つ位置取りの駆け引きが、差し馬の勝率を上げているともいえるでしょう。

このように脚質に着目して競馬を見ていくと、自分独自の予想ができて競馬がさらに楽しくなってきます。

是非勉強してみてください。

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この記事の監修者
後藤孝男
後藤孝男(ごとう・たかお)
大学卒業後、東京タイムズ社に入社。中央競馬担当記者となり全国の競馬場を初め美浦、栗東トレセンなどへ赴き、取材に、予想にと活躍。同紙休刊後は、実績を買われて競馬専門紙「馬三郎」に創刊メンバーとして参画、一昨年からは美浦トレセン北馬場時計班として毎週、サラブレッド達の調教に目を凝らす。
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