皆さんは競馬を楽しむうえで、斤量というワードを聞いたことがあると思いますが、詳しい内容を知っている方はとても少ないでしょう。
斤量は競馬新聞などの出走表でも確認することが誰でも可能ですが、あまり気にして見ていない方がほとんどです。
ですか、競馬では馬体重以外の負担重量をシビアにチェックする予想家の方もいます。
そこで、この記事では競馬で斤量はレースに影響するのか?という部分を前提に踏まえた解説したいと思いますので、ぜひ参考にしてください。
目次
そもそも斤量とは?
斤量とは騎手の体重や鞍、その他の装具の合計の重さを表しています。また、その馬体重以外の重さを「負担重量」といいます。
基本的には、負担重量を平等にして公平な競争ができるように(騎手体重・鞍)の重さを同じにして競争を行うため、体重差などはジョッキーの着用するベストに鉛の板を入れて調整するのが特徴です。
しかし、女性騎手や見習騎手の勝利度数によって多少の減量(ハンデ)が定まっています。
下記のその詳細をまとめましたので確認しましょう。
見習騎手の減量基準
女性騎手や見習騎手は、騎手免許が通算取得期間5年未満で勝利度数が100回以下の騎手にはハンデキャップを与え減量するように定まっています。
しかし、その減量を与えられるレースは特別競走とハンデキャップ競走以外のレースに騎乗する場合のみです。
まずは下記の減量基準を確認してください。
【▲】勝利度数が30回以下の場合、3kg減量されます。
【△】勝利度数が31回以上50回以下の場合、2kg減量されます。
【☆】勝利度数が51回以上100回以下の場合、1kg減量されます。
【★】勝利度数が50回以下の場合、4kg減量されます。
【▲】勝利度数が51回以上100回以下の場合、3kg減量されます。
このように基準となるキロ数が決まっているので、事前に出走表にマークがついている選手を確認しておきましょう。
2019年で改定した女性騎手に対する斤量のハンデ
女性騎手のハンデですが、JRA(日本中央競馬会)がおこなった2019年の大幅なルール改定により、見習い制度の条件をクリアしても、女性騎手は男性騎手よりも常に斤量を2㎏軽減した状態でレースに挑むことになりました。
また、新人女性騎手の場合は通算100勝まで1~4㎏の軽減がされることになります。(男性新人騎手の場合は1~3㎏の軽減となる。)
さらに、レースの前と後で定められた斤量に違反がないかどう検量が行われています。
検量のタイミングは「前検量」と「後検量」の2つです。
テレビ中継などでも見ることがありますが、レースの前に行うことを「前検量」、レース後にインタビューなどが終わるとすぐ行われている測定が「後検量」となります。
この後検量は、上位人気の競走馬と上位入線の競走馬のみが対象となっています。
斤量が減量されることでレースに影響はでる?
上記で説明したように、見習選手と女性騎手では斤量にハンデがつけられるレースがあります。
その際に、レース内容に影響はでるのか?という疑問が生じます。
結論から説明すると、影響はほとんどありません。
いくら斤量の差でハンデキャンプを補っても、騎手の経験が圧倒的に違うからです。
競馬では、地方競馬の一般レースから中央競馬の重賞まで様々なレースがありますが、見習騎手とG1ジョッキーなどを比較した場合、騎手としての能力差が大きく、数キロのハンデでは競馬の展開には影響がありません。
しかし、競馬には斤量に関係したレースも存在します。
競馬のレースは大きく分けて3種類のレースです。
その中でも、斤量に対して基準が決まっているものなどありますので、詳しく説明します。
斤量に関係する3種類のレースとは?
競馬には、下記の3つのレースの種類が存在します。
- 定量戦
- 別定戦
- ハンデキャップ戦
定量戦では各馬等しい斤量で挑みますが、別定戦・ハンデキャップ戦では競走馬ごとに別々の斤量が設定された状態でレースに挑みます。
斤量の設定は競馬場に存在する正式の「ハンデキャッパー」の方が平等になるように判断して決定しています。
それでは、斤量が統一の定量戦と競走馬ごとに斤量が変わる別定戦、ハンデ戦の詳細を紹介します。
定量戦について
定量戦は、すべての馬を同一斤量にして、その中で一番を決めるレースです。
そのため、斤量が同じになる理由からレースにも全く影響が発生しません。
馬の年齢で決められる馬齢戦も定量戦と同じように競走馬の斤量は統一されています。
つまり、馬の実力がそのまま結果に表れるレースになるのです。
最も優秀なサラブレッドを決定するためのレースなどは定量戦で行うことが多くあります。
クラシックレースをはじめとするG1レースなどは定量戦または馬齢戦で行います。
ただ、馬齢戦・定量戦でも牡馬と牝馬の能力を考慮し、牝馬には一定の斤量を減量することができます。
そのため、定量戦の場合はしっかりと馬の実力を調べた上で馬券を購入することをおすすめします。
別定戦について
別定戦とは、レースによって斤量が決定する基準が定められているレースを差します。
馬の年齢や性別から決められた基準重量を基本とし、その馬の過去の獲得賞金や勝利したレースのグレードなどによって重量が加算されます。
また、重量を定める条件を付けて「賞金別定」や「グレード別定」など記載されていることがあるのでそういった点も注目が集まります。
別定戦の場合でも、レースの影響はそこまで気にする部分ではありません。
馬の年齢・性別を加味しても、すごく差が発生することはないので、斤量で悩む必要はないでしょう。
ハンデキャップ戦について
ハンデキャップ戦とは、強い馬には斤量を重く、弱い馬には斤量を軽くしてすべての馬が差なくレースに挑めるよう調整されています。
最軽量としては、48㎏で最重量には制限はないですが、63㎏を超えることは、ほぼ無いと言われています。実際に重くても60kg前後です。
ただ、これは別定戦にも共通する例ですが、過去のレースの日経新春杯では66.5kgを背負いレース中に競走馬が故障してしまい、2ヶ月後に死亡したケースがありました。
その件もあり、重すぎる斤量を背負いレースを行うことは無くなっています。
ただ、競馬ファンは斤量が軽くなり狙い目や斤量が重いのは不利だと思う方が多いかと思いますが、実際には厳正にハンデキャッパーが斤量設定しているので斤量が軽い馬が有利などということはほとんどありません。
ハンデキャッパーの設定基準ですが、出走馬すべてが横一線でゴールできるように斤量を決定するという方針のもと設定しています。
そのため、斤量の差でレースに影響がでることはありません。
しかし、極めて稀に斤量の差が出やすいことがあるため、軽量された競走馬が逃げ馬の場合、そのまま逃げ切ってしまうケースも絶対にないとは言い切れませんが、可能性は極めて低いでしょう。
まとめ
今回は、斤量が競馬のレースに影響するのかということについてご紹介しました。
結果は斤量は、レースにほとんど影響しません。
基本的に競馬のレースでは、斤量(負担重量)は均一になるように専門のハンデキャッパーがしっかり調整を行って競走が開始します。
またレースによって、斤量のハンデがついているのは若手の見習選手だけで、ベテラン選手との差をうめるためのハンデキャップですが、経験豊富のベテラン騎手の方が、優位性は勝っている場合もあります。
競馬はすべて平等で公平に行われるように、しっかり調整されているので不公平などが起きないようにJRAなども高い神経を使っています。
そのため、競馬ファンは安心して競馬を楽しめるんだと思います。
斤量の差で予想時に悩んでいた方は、あまり気にせず勝てると思った馬を信じて予想をしてみてはいかがでしょうか。
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