チークピーシーズは集中力を高める効果がある馬具!装着する3頭の競走馬を紹介!

競馬 チークピーシーズ 効果

現代の競馬は昔に比べて、多くの競走馬が参戦する規模を誇ります。

また、優秀な馬の血統を掛け合わせることで馬の気性や性格も枝分かれし、その種類は多岐にわたります。

そのため、神経質な馬や気性の荒い馬がレースに集中できるように様々な種類の馬具が存在します。

馬券を購入した際に、BやLのマークを目にしたことはないでしょうか?

これは馬がブリンカーという馬具を装着してレースに参加することを意味しますが、

その中の1つ、「チークピーシーズ」についてご紹介します。

チークピーシーズとは

チークピーシーズとは、馬の目の後ろに装着する矯正馬具の1つです。

馬の視野は350度と非常に広く、周りの影響を受けやすい傾向にあります。

そのため、馬の左右後ろの視界を遮り、集中力を高める効果のあるチークピーシーズを装着します。

また、下記の項目でも紹介するブリンカーとは異なり、レースで使用する際に事前申請が必要ないため、

その日の競走馬の状況に合わせて利用できるのは大きなメリットでしょう。

プリンカーとの違い

ブリンカーは馬の顔全体を覆うマスクが特徴的な矯正馬具です。

チークピーシーズとの違いとして、布の面積が広く目以外は隠れてしまうということでしょう。

また、上述したようにチークピーシーズとは異なり、装着に事前申請が必要なのもブリンカーならではの制約です。

チークピーシーズを着用して活躍した馬

ここからは、チークピーシーズを装着することで飛躍的に成績を伸ばして活躍した馬をご紹介します。

オジュウチョウサン

2016年から3年連続で「JRA賞最優秀障害馬」を獲得したことでも有名なオジュウチョウサンもチークピーシーズを装着してレースに挑んでいました。

鮮やかな水色のめんこに合わせたチークピーシーズもオジュウチョウサンのトレードマークです。

オジュウチョウサンは、競走馬となる当初からわずかな音で驚いてしまうような臆病な競走馬だっため、レース中にも集中力を失ってしまう欠点がありました。

そこで、山本康志騎手の提案によってチークピーシーズが装着され、想像以上の効果を発揮して「JRA賞最優秀障害馬」を3年連続で獲得することができました。

また、チークピーシーズを装着して勝利したのは以下のようなレースがあります。

・2017年12月23日 中山大障害
・2019年3月9日 阪神スプリングジャンプ
・2019年4月13日 中山グランドジャンプ
・2020年3月14日 阪神スプリングジャンプ
・2020年4月18日 中山グランドジャンプ

ダークシャドウ

ダークシャドウは2015年4月に引退した競走馬ですが、日々のレースでは濃いブルーのチークピーシーズを装着してレースに出走していました。

神経質な性格を持つダークシャドウは、まわりの雰囲気に飲まれやすく、ゲートで出遅れがちな競走馬であったため、チークピーシーズの効果を求め、普段のレースで装着していました。

また、2013年の安田記念前の調教では、チークピーシーズではなく、ブリンカーの装着を検討されていたこともあり、レースによってはチークピーシーズとブリンカーを使い分けていました。

また、チークピーシーズを装着して勝利したのは以下のようなレースがあります。

・2011年6月12日 エプソムカップ
・2011年10月9日 毎日王冠

パーソナルラッシュ

パーソナルラッシュは、2004年に盛岡競馬場でおこなわれたG1「ダービーグランプリ」を制した競走馬です。

パーソナルラッシュは、チークピーシーズの装着をしていない競走馬でしたが、

2004年に札幌競馬場でおこなわれた「エルムステークス」にチークピーシーズを装着して出走したところ、馬具の効果を受け、スムーズに力を発揮でき、見事1着となりました。

その後は、ときおりチークピーシーズを装着して出走しており、一種のトレードマークとして知られることとなります。

また、チークピーシーズを装着して勝利したのは以下のようなレースがあります。

・2004年9月4日 エルムステークス
・2004年9月20日 ダービーグランプリ
・2005年3月16日 ダイオライト記念
・2005年9月3日 エルムステークス

ウマ娘のサイレンススズカも着用

余談ですが、昨今驚異的な人気を集めている「ウマ娘」のキャラクター「サイレンススズカ」もチークピーシーズを装着していました。

サイレンススズカはロングの髪と耳に付けている緑色の髪飾りが特徴的なキャラクターですが、この緑色の耳飾りの正体がチークピーシーズです。

キャラクターにも反映されるほど、チークピーシーズの存在は大きいものとなっているようです。

まとめ

競走馬は自らの弱点を克服するために様々な種類の馬具を装着してレースに挑みますが、そのなかでも、神経質だったり、気性が荒い競走馬に対して装着されるのがチークピーシーズです。

チークピーシーズは、性格のせいで集中力が欠けてしまい、レース本番に実力を発揮できないことが考えられるに競走馬に、集中力を高める効果を求めて装着されます。

また、チークピーシーズは他の馬具とは異なり装着に申請が必要ないため、その日の体調や調子によっても装着の検討ができます。

基本的にチークピーシーズを装着している競走馬は気性が荒かったり、臆病なことが多いため、レース中にチークピーシーズを付けた競走馬を見たら、「どのような性格の馬なんだろう」と考えてみるのも面白いかもしれませんね。

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この記事の監修者
後藤孝男
後藤孝男(ごとう・たかお)
大学卒業後、東京タイムズ社に入社。中央競馬担当記者となり全国の競馬場を初め美浦、栗東トレセンなどへ赴き、取材に、予想にと活躍。同紙休刊後は、実績を買われて競馬専門紙「馬三郎」に創刊メンバーとして参画、一昨年からは美浦トレセン北馬場時計班として毎週、サラブレッド達の調教に目を凝らす。
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