競馬で「連闘」という言葉を聞いたことはありますか?
連闘とは、競走馬を2週連続してレースに出走させることです。
基本的にG1馬のよう強い馬では、怪我のリスクやスタミナ回復などを考えて連闘はありえない話ですが、新馬戦や未勝利戦、1勝クラスの馬では中央でも地方でもよくあります。
しかし調教師は、なぜタブーと言われている連闘を馬にさせるのでしょうか。
そこには、厩舎側の理由や調教師の思惑など様々な理由が隠されています。
この記事では競走馬が連闘する理由と、連闘馬が出走するときの予想について解説したいと思います。
6月下旬の夏競馬が開始する時期や地方競馬でも夏の終わりなどには、連闘馬も多くなるので、ぜひこの記事を参考に予想をしてみてください。
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競馬で競走馬を連闘させる3つの理由
競走馬を連闘させる最大の目的は、勝たせる!というのが大前提です。競馬のように勝負の世界にいる馬は、速く走って何度も優勝することが使命でしょう。
しかし、連闘は勝たせるという目的の中に複雑な理由も混ざっています。
競馬で競走馬を連闘(2週連続して出走)させる理由は大きく分けて3つあります。
- 厩舎の問題
- 馬の性格や特徴
- 騎手の能力や都合
では、それぞれの理由を詳しく解説します。
厩舎の馬房の調整ができない
競馬では、馬主から競走馬を預かりながら調教を行いますが、厩舎の馬房がうまく調整できない場合があります。
毎年多くのサラブレッドを飼育しながら調教して、レースに出走させるのが厩舎の役割ですが「調教」「飼育」「放牧」を行う中で競走馬を飼育する「馬房」と呼ばれる小屋の数が重要です。
競走馬を多く預かっている厩舎では、馬房の数にも限界があります。
例えば、今週はこの馬が出走して馬房が空くけど、来週には現在放牧中の馬が帰ってくるので、その前に違う馬を放牧に出さないと、入れる小屋がないという状況に陥るんです。
そのため、一度出走した馬の調子や疲れ度合いを考慮して、連闘させて調整を行います。
まだ体力のある未勝利や新馬などの若い馬なら、一週間程度でもスタミナを回復する場合が多く、厩舎では調整に時間がかかりません。
そのときに調教師は、馬のコンディションを一番に考えて、連闘が原因で故障したり、トラブルが起きないように管理しながら判断をしています。
競馬では競走馬の性格もそれぞれ違う
競馬で走る競走馬は、それぞれ性格や特徴も異なります。
基本的に競馬界において連闘は馬が故障するリスクも高まり、良い結果にはならないと言われていますが、逆にレースで勝った馬を連闘させることで良い感覚を保ち、勝ちやすくなる特徴の馬もいるんです。
中には、勝ったときの感覚や調子が継続する馬もいるため、厩舎に戻って何週も開けて再出走するより、2週連続で走らせたほうが勝てると調教師が判断します。
そのため調教師は、馬の特徴や性格を理解したうえで、勝利数を多くさせることを意識しながら連闘をさせている場合があります。
レースで連闘馬が出走すると、競馬ファンとしては「疲れている」「勝てない」という意識を感じやすいですが、思い込みは禁物です。
前走のレースで好成績を出している馬が連闘しているときは、もしかしたら連勝する可能性もあるので注意しましょう。
騎手の都合で連闘になる
未勝利や新馬などの経験が少ない馬は、まず調教師が様子見で出走させる場合があります。
調教師は、その走りや騎手との相性を確認してから次の出走予定を検討しますが、騎手との相性が合ってないと判断した場合には騎手を変える選択をするでしょう。
しかし、能力のある人気騎手は騎乗するローテーションがいっぱいです。
馬の能力を最大限引き伸ばせてくれる騎手だとわかっていても、騎手が乗ってくれなければレースでは勝てません。
しかし、競走馬の目的はレースに出走して勝つことです。
そのため、出走した翌週でも能力の高い騎手が空いている場合は、連闘になってしまっても依頼して、まずは1勝させようとする場合があります。
能力の高い騎手に依頼することで未勝利の馬が初めて勝利すれば、競走馬としての人生も大きく変わってくるでしょう。
そのため、騎手の都合や調教師の思惑が非常に大きく関係します。
連闘する競走馬をどう予想する?
ここまでで、競走馬が連闘する理由について説明しましたが、次は連闘した馬の予想方法について解説します。
様々な統計データを見ても、連闘馬は勝ちにくいという数値が出ているのは事実です。
しかし、連闘馬が出走する「距離」「場所」「時期」によっては、予想を大きく変えてしまう場合ありますので、しっかりと頭に入れておきましょう。
短距離レースには連闘馬が穴
地方競馬で連闘した馬のデータを参照すると、距離に応じて結果が変わりやすいことが判明しました。
結論から言うと、連闘馬が上位入賞を狙えるのは短距離レースで「1300m以下」の距離が最適です。
過去データを調べると、札幌ダートや小倉ダートなどの1000mレースでは、連闘馬の複勝率が非常に高く、3着以内のデータを見ると60%を超えていることがわかりました。
このデータを逆の視点で見ると、連闘馬はマイルレース、中距離から長距離のレースではあまり良い結果は望めないでしょう。
そのため、夏競馬が開催される札幌の1000mのレースで連闘馬が出走するときは、狙い目かもしれません。
6月下旬から始まる北海道開催の夏競馬
基本的に夏競馬の期間は「◯月から◯月まで」と正確に決まっているわけではありません。
中央競馬の宝塚記念が終わったら、夏競馬の始まりと考えるファンもいれば、新馬戦が始まる6月の初旬から夏競馬と考えるファンもいます。
連闘馬は、その夏競馬の新馬戦や未勝利戦などで多く走ると言われています。
夏競馬でも、札幌などではあまり気温が上がらないため、新馬戦であっても連闘させることは珍しくありません。
しかも、新馬や未勝利に出走する馬は過去成績データのない馬なので、連闘した馬が必ずしも勝てないと決めつけることはリスクです。
もし、夏競馬を楽しむときに連闘馬がいる場合は完全に予想から除外しないで、前走の結果を踏まえて、上位に絡むことも想定しておくのが安心だと思います。
ぜひ、このような連闘している馬の予想方法を頭に入れておきましょう。
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この記事では、競馬の競走馬が連闘する理由と、連闘馬の予想方法を解説しました。
競馬で競走馬を連闘させる最大の目的は勝たせるためです。また、目的以外で連闘させる理由には「厩舎の問題」「馬の性格や特徴」「騎手の能力や都合」の3つがあります。
競馬では、連闘馬は勝てない!と思い込んでいる競馬ファンは非常に多いと思くいますが、一概に連闘馬が弱くて、勝てないと断定するのは危険です。
調教師が連闘させると判断した場合は、馬の能力を最大に活かす戦略が隠されているときもあります。競馬では、絶対に勝てないと予想しても実際に走ってみないと、どの馬が勝つのか結果は誰にも分かりません。
競馬界では、連闘をタブーと考える方が非常に多いですが、実際に近くで競走馬の世話を行い、性格や特性などを一番理解しているプロ調教師の判断なので、間違っているとは断言できないでしょう。
統計データでは連闘馬が勝ちにくい数値が出ていますが、絶対に勝てないというわけではなく、あくま統計上の確率論になります。
今後は、連闘している馬を見つけた場合は、この記事で説明した色々な要素を取り込んで、予想をしてみてください。
もしかしたら、連闘している馬を軸に的中させることができるかもしれません。